京都市へ 部落差別撤廃に向けた条例制定の要請

 

 

 

部落解放同盟京都市協議会は、718日(水)午後430分より、「部落差別の撤廃にむけた条例制定の要請」をおこないました。これは、一昨年に制定されたヘイトスピーチ 解消法と、部落差別解消推進法がともに、理念法であることから、その具体化を求める京都府連合会の統一行動の一環です。京都市に関しては、71日から「ヘイトスピーチ解消法をふまえた京都市の公の施設等の使用手続に関するガイドライン」が施行されていることから、部落差別の解消に焦点を絞った要請となったものです。

京都市協からは役員5名と事務局、京都市は吉田良比呂文化市民局長はじめ、5名が対応しました。

双方出席者紹介の後、宮崎茂市協議長が「部落差別・ヘイトスピーチ・障害者差別に関する人権法が成立した。私共は部落差別解消推進法について真剣に考える時期だと思う。人権法は、 被差別当事者への対策ではなく、行政・企業・市民に対して、社会の側の差別意識をなくそうという法律。今日的な部落差別について現場の担当者レベルで 意見を交わしながら、条例を制定していただきたい。私たちも今後、市議会の会派と勉強会をして、請願や意見書という段階へステップアップしていきたいと考えている」と挨拶しました。

事務局で要請書読み上げの後、吉田局長に手交しました。その後、吉田局長が「私も、部落差別解消法については、特定の当事者というよりも、社会の予断や偏見をどう解消していくのかというところが大きな視点であると思っている。私共も、人権文化推進計画で生まれや地域で差別が生じることは許さないという立場で取り組んでいる。教育・啓発・相談体制の充実ということだが、昨今LGBTやインターネット上の差別等の状況を踏まえ、人権擁護委員による相談の機会を増やしていくということで、先日広報したところだ。教育・啓発についても、特に今年は世界人権宣言70周年ということでもあり、基本的人権について特に若い人たちに伝えたいと考えている。人権の意識調査も行う予定であり、来年度には推進計画の見直しをする。総点検委員会について、改革は進んでいるが、道半ばでもあり、分析・評価をしていく。その点については今後も話し合っていきたい」と述べ、懇談に入りました。

意識調査については、10年間の推進計画の中間見直しに伴う調査であると、補足説明がありましたが、経年変化調査にとどまらず、法制定にともない、例えば、人権3法についてどれだけ知っているかという調査等、新項目も必要であるとの意見があり、土井部長は状況の変化を一定盛り込みたいと応えました。また、宮崎議長は、環境政策局のゴミ分別条例について、京都市が真剣に取り組んだ結果、現在は「ゴミも一定の資源」であるということが市民の意識に行き渡っていることを例に、法や条例が人々の意識 や態度を変え、社会に秩序をつくることになる。行政が誠心誠意取り組むことで、差別の解消も一歩ずつ進んでいくと述べました。

吉田局長も「ヘイトスピーチのガイドラインについて、京都市の姿勢を示すことができて、社会からの後押しを受ける形となった。部落差別解消法の条例制定については、今日、答えは言えないが、市会などでも普通に議論できる気運をつくることが大事」としました。最後に「ヘイトスピーチに関して、京都市もポスターをつくって、指定管理施設等に張り出すことは効果があると思う」等、具体的な提案もされ、まとめとして、京都市としての主体性の発揮を期待したいとして、要請行動を終えました。