2018年7月18日

京都市長 門川 大作 様

部落解放同盟京都府連合会

委員長  西 島 藤 彦

部落解放同盟京都市協議会

議 長   宮 崎  茂

 

部落差別の撤廃にむけた条例制定の要請

 

 日頃より、部落問題をはじめあらゆる人権問題の解決にむけて取り組まれていることに対し、敬意を表します。

 さて、2016年12月16日に部落差別解消推進法が施行されました。施行後、京都市におかれましては、法律の周知に取り組まれ、部落差別のない社会づくりに尽力をいただいているところです。

 部落差別解消推進法は、部落差別に関する状況の変化をふまえ「部落差別は許されないもの」として、国、地方公共団体に、部落差別のない社会の実現をめざし、相談体制の充実、周知を含めた教育・啓発の推進、部落差別に対する実態調査の実施が明記されています。

部落差別の定義については、1965年に出された同和対策審議会答申によれば、「市民的権利,自由の侵害」とされ、「職業選択の自由、教育の機会均等を保障される権利、居住および移転の自由、結婚の自由」などについて「完全に保障されていないこと」が差別だとされました。この基本認識により「同対法」「地対法」「地対財特法」が京都市においても33年間執行されてきました。その間、「実態的差別」と規定された格差・環境については一定の改善はなされましたが、「心理的差別」については、今現在においても差別の解消、解決には至っていません。

それゆえ「部落差別解消推進法」は「被差別当事者」への対策を趣旨とするものではなく、市民が被差別当事者を見るまなざしにこそ、部落出身者に生きづらさを与えているとの認識の下、市民社会に現存する忌避、偏見、予断、誹謗中傷が根絶されることを目的とするものと考えます。他の自治体においても、兵庫県たつの市をはじめ、福岡県小郡市・飯塚市などでは、独自の条例を制定し、その流れは全国的に波及しつつあるところです。

つきましては、京都市におかれましても部落差別の撤廃をめざした条例の制定をここに要請いたします。

 

 

(1)  部落差別の撤廃にむけた条例を制定されたい。

(2)  市民に対して、教育・啓発・研修・相談等を行う推進計画を策定し、年次的・計画的に実施されたい。

(3)  「京都市人権文化推進計画」における「同和問題」の項目について、解消法の趣旨・目的に添った内容に見直されたい。

(4)  今日的な部落差別について、京都市としての基本的見解を述べられたい。