第49回人権交流京都市研究集会

 

〜「めざそう!共生・協働の社会創造」〜

 

 

 

224日(土)午前930分より、第49回人権交流京都市研究集会が大谷大学で開催され約600人が参加しました。

午前の全体集会では、まず主催者を代表し、井川勝実行委員長が「本集会は来年50回を迎え、まさに半世紀に及ぶ長い歴史のある、地域ぐるみ市民ぐるみで作り上げてきた市民集会です。今回も参加者のみなさまの交流、相互理解を深めていただきたい」と挨拶。続いて来賓挨拶では、京都府連より平井斉己書記長が、「私自身が、第19回からかかわっている京都市研究集会であり、なつかしい仲間がいる。一昨年12月部落差別解消推進法が成立し、昨年は改めて、地域や職場、学校の現場で取り組みを進めようという提案があった。今年はさらに法律を具体化するように取り組んでいく」と述べました。また、勝目康府民生活部長、吉田良比呂文化市民局長が、それぞれ府知事・市長のメッセージを代読し、挨拶としました。

続いて実行委員から北村要さんと景山功一さんが、運動と教育の分野について基調提案を行いました。運動では、昨年日本国憲法が制定され70年が経ったが、2013年以降、特定秘密保護法、安全保障関連法、テロ等準備罪と次々に憲法の理念を脅かす法制定が続く現状において、改めて、戦前の治安維持法から今日の刑法のあり方を検証することで、基本的人権の尊重が現実となる制度の在り方を提案しました。また、部落のまちづくり、本人通知制度の重要性、外国人の出稼ぎ労働者の現状と共に生きるまち東九条の実践と可能性について提起しました。教育分野においては、部落問題や外国にルーツをもつ子どもの課題、子どもの貧困について、小・中それぞれの実践から同和教育の普遍化として提案され、全員の拍手で確認されました。

次に市協女性部の岸田佐智子さんが、先の戦争の教訓を次の世代につなげ、誰もが支えあう共生・協働の社会創造を提起する集会宣言を読み上げ、これも全員の拍手で確認されました。

 全体集会記念講演では、元大阪市立大学元教授の上杉聡さんが「日本国憲法と部落差別」と題し講演をおこないました。戦後GHQによる草案について丁寧に議論を重ねる帝国憲法改正案委員会の議事録を資料として、部落差別は「社会的身分」と位置付けられ「差別されない」とされた経過等について述べました。また、DVD「映像でみる人権の歴史」#6では、子どもたちが学習を通して、憲法に差別禁止を盛り込んだ当時の大人たちの議論から、社会への信頼を取り戻していくシーンが描かれました。

 午後からは「被差別部落のまちづくり」、「奨学金問題から見る若者の貧困と教育保障の現状」、「同和教育」、「外国人教育」、「部落の歴史」の5つの分科会が開催され、参加者により熱心な討議が行われました。