市協「まちづくり部会」を開催
〜千本の取り組みから今後の方向性〜
8月2日(金)、京都府部落解放センターで、「市協まちづくり部会」が開催され、各支部より11人が参加しました。5月に行われた市協総会で確認された「市協三部会」の皮切りは、今後の各地域のまちづくりの方向性を共有することを目的とし、京都市行政を招いた学習形式ではなく、建て替えとまちづくりが一段落した千本支部から平井斉己府連書記長を招きお話をいただきました。
レジュメに沿ったお話を以下に紹介します。
まず、3つの時代区分を示し、第1期として運動団体を中心としたまちづくりが1980年代まで続き、改良住宅、公営住宅が完成したこと。しかし、それと同時に活力のある人たちの人口流出という課題が生じたことから「千本ふるさと共生自治運営委員会(じうん)を結成し、自治会、学区全体の取り組みにかえて、運動団体は後方から支える役割に転換していった経過を話しました。
次に楽只21棟(新1棟)の建て替えを契機として、住民主体のまちづくりワークショップを積み重ねてきた第二期の取り組みでは、従来のように行政に要望するばかりではなく、住民の要望をくみ取りつつ、じうんが行政と住民とのクッションとなり、双方に提案すること。既存の公営住宅ではなく、顔が見える住民たちによって永住できるまちをつくりたいというそれぞれの思いを実現するべく、基本構想、基本計画、実施設計と繰り返し、この作業は、けっこう大変であり、住宅ストック活用計画では、新築と聞いていたものが一部住宅改修となることで、苦情を聞き、厳しい住民の要望も受け止めつつ、しかし、苦労した分、自分たちが行政に丁寧に伝えることもできたと語りました。
鷹峯の住民は、この6月から7月で全部引っ越しをされ、団地内の引っ越しも8月末までに終え、鷹峯団地の6千uは空き地となります。6棟から10棟、さらに16棟が集約棟ということでなくなり、千本地区の東側半分が賑わい施設として、民間事業者誘導地区となります。計画がおおむね固まった土地利用計画議論の終盤段階で、楽只小学校の統合の話が浮上しました。地域の歴史を踏まえたときに、学校が解体され消失するのは忍びないという声を受け止め、いきセン、児童館、ツラッティ千本、保育所等の施設をここに移せないかという話が持ちあがりました。現在その方向で、実施設計をして、改修し、3年後には出来上がる予定です。
そこで、それらの公共施設を移転しようとした、地区内の北街区にも余裕ができことを受け、地域の特性を生かし、社会貢献ができるような施設を誘致できないかと考えています。南街区の賑わい施設をどういったものにするかもこれからの議論になり、また、北大路通沿いの店舗も今後の課題としてあります。
千本地域の約半分が大きく変わっていくこれからが、第三期のまちづくり構想となります。イメージとしては、民間の人たちや事業者にも協力してもらいながら、賑わいを取り戻していきたいということで、京都市内の他の地域も、今後、その余剰地の活用方法を考えていく必要がある、ということで、平井書記長の話は締めくくられました。
次に、「これから各部会で討議する課題について」宮崎議長から話がありました。
まちづくりに関しては特に、7月9日に都市計画局が市長ヒアリングを行い、建て替えに向けたまちづくりについて、市長から「市内4地区について老朽化した改良住宅の建替え」が表明されたことが重要で、公費による事業として認定されたという成果面があるのと同時に、課題として、「住戸改善が中心であり、地区全体を考慮したまちづくりではない」ということがあげられました。つまり、前段の千本地区の話でもあったように、自分たちで地区の将来像を描き、地元の各団体と連携した「まちづくり協議会」を組織する必要があること。特に、余剰地(活用予定地)について、安易にマンションや商業的施設への売却へ向かうのではなく、部落の歴史的経緯と人権の拠点としての位置づけを明確にして「福祉で人権のまちづくり」を目指していく必要があるとしました。
そのために、今後のまちづくりの考え方として、余剰地(活用予定地)は、基本的には定期借地権付という条件をつけ、売却は最小限に抑えること。また、新棟には障がい者グループホーム等の設置を選択肢に置き、同時に家賃を考慮しつつ、専有面積(各室)の多様化を図ることなどが、提案されました。
また、地域住民にとっては、旧隣保館という位置付けの「いきいき市民活動センター」の運営、住宅の自主管理体制の確立も追及・検討していくとされました。
今後、順次開催される他の部会についても、報告していきたいと考えます。
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