「部落差別の解消の推進に関する法律」公布・施行にあたって 市協として、京都市へ要請行動
8月3日(木)午後5時より、「部落差別の解消の推進に関する法律」公布・施行にあたっての要望書を、京都市と京都市教育委員会に提出するために、部落解放同盟京都市協議会が市協役員を中心に8名で、京都市役所を訪問しました。 京都市は村上圭子副市長をはじめ、吉田良比呂文化市民局長、土井保志くらし安全推進部長他、教育委員会より清水稔之教育企画監、清水康一指導部担当部長が応対しました。 村上光幸市協副議長が司会進行をつとめ、出席者の紹介をした後、宮崎茂市協議長が挨拶。「昨年12月に部落差別解消推進法が制定されて、府内26市町村の首長に対して、先月から今日まで、この法律の内容について、まず職員に徹底し、さらにそれを市民に広報していただきたいと要望している。その一環として本日寄せていただいた。2002年3月の法失効後14年間法律がない中で、部落差別を解消してほしいと訴え続けてきた。私たちの闘いは正義だったということで、法制定に至ったが、誤解していただきたくないのは、何も特別対策で個人給付事業をやってくれ等、そういうことは考えていない。差別をなくすため、どのように教育や啓発をすすめていくか。相談体制をどう確立するか、考えていただきたい。この法律は部落の人たちだけの問題ではない。結婚に際しては相手が戸惑う場合もあるだろう。地区があろうがなかろうが、隣保館があろうがなかろうが、この相談体制は必要である。実態調査に関わる法律6条に関しては、この22日に6条有識者会議が開かれる。運動3団体の意見聴取ということで解放同盟も意見を述べる。京都市においても今後の取り組みをお願いして、挨拶にかえる」と述べました。
次に要望書が、村上副市長、清水企画 監へそれぞれ手交されました。 それを受けて、村上副市長が挨拶。「みなさまの日頃からの熱心なご活動、心から敬意を表する。人権文化の推進ということで、京都市も長年、事業の名称は「同和対策」であったり、「人権文化」であったりと変わってきたが、やはりこの取組は、市民全体の幸せにつながるんだという信念の元に行政としてもすすめてきた。この際に大事なのは、多くの市民の共感であり、オープン、オーディナリーということで行政の姿勢を示してきた。この度の申し入れも真摯に受け止める。特に最近気になっているのが、インターネット上での人権侵害。これは匿名性という特性を使った、非常に悪質、あるいは、差別をする人自身の問題が浮き彫りになる事象である。深いところでの啓発活動をやっていきたい。一つには社会全体の格差。働き方改革といわれるが、働く人全体の中にある心理的な疲れなどとの関連も あると感じている。結婚差別も大変深刻な問題で、それにまつわって、人の戸籍を調査する違法行為も許されない。それらに向けて、行政としてできるだけ有効な取り組みをしていきたいと思っている。共感という意味では、少子高齢化の中で、『うずまさ共生の郷』のような取り組みは、本当に人に響く取り組みだと思っているし、また、そちらの成果なども聞かせていただいて、今後の取組に役立てて行きたい。相談窓口についても国や府との役割分担をしながら、どういうことが一番効果があるのか探していきたい」と述べました。 その後懇談に入り、問題意識の共有や、相談体制について、広く人権に関わる全般について、寄り添いながら解決する方法などについて話し合いました。市協としては、いきいき市民活動センターや、区役所、ウィングス京都等、京都市の公的施設を巡回する案等を提示しました。宮崎議長は「今、我々も国に対して予算要求している。それがかなえば、部落差別を含めた様々な相談体制を市内で増やしていってほしい」と改めて要請しました。
教育については、清水企画監は、「かつて同和行政に携わり、今、理念法とは言え、法律ができたことは感慨深い。人権文化を担っていく子どもたちをつくっていくのが大事。課題ということで言えば、世代交代がすすみ、同和校に勤務していた教員が極端に少なくなり、部落差別を実感することが少なくなっている。学校の中で、子どもたちが互いに認め合い助け合える力をつけるのが、部落差別をなくすためにも大切」と述べました。その後も、子どもの貧困や、支援事業について意見交換をし、訪問を終えました。
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