田中まちづくりに向け 千本の視察 報告

 

 2019年6月27日に養正田中まちづくりの会・篠原義彦会長,NPO法人YTの会・大村ひろし会長,井本武美,篠原信夫,村上光幸の5名が楽只地区の市営住宅団地再生事業の取り組みにかかる学習会,市営住宅視察とツラッティ千本施設見学をおこないました。

 当日,千本支部から小林茂支部長,西名貴史書記長,北区選出の平井としき京都府議会議員,また,京都市行政からも篠原誠一郎すまいまちづくり課長,丸山宏之まちづくり推進担当課長,久保憲司まちづくり推進担当課長,井上宗彦事業第一担当係長,井上郁郎事業計画担当係長,内田征希まちづくり推進担当係長,山田直樹まちづくり推進担当係員に来ていただき,楽只・鷹峯市営住宅団地再生事業の事業概要の説明を受けました。

 まずは,京都市行政の方から2013年度に策定した「楽只・鷹峯市営住宅団地再生計画」に基づく,継続棟の活用(楽只11〜15棟)の耐震および浴室設置などの住戸改修,エレベーター設置工事(楽只11棟・12棟)の実施のほか,鷹峯市営住宅1〜4棟の更新棟として楽只市営住宅内に新棟24棟を新築し集約棟(楽只6棟〜10棟,16棟)からの移転を行うなどの説明を受けました。

 次に,地元を代表して平井府議会議員のほうから,今後の団地再生事業によって生み出される余剰地の活用についての地元の考え方や地域の取り組みなどの報告を受けました。

 部落差別問題の解決を中心に据えながら,北区をはじめ,市北西部地域の活性化拠点として活用していくため,民間活力を導入し「賑わい施設」の誘導や,鷹峯市営住宅についての跡地活用の考え方について,今後,地域と行政との間で検討に入っていくことの報告を受けました。

 なかでも印象的だったのが,今年3月に楽只小学校が145年の歴史に終止符を打ち紫野小学校と統合,伝統ある教育の営みに幕を閉じたお話。楽只小学校は、地元の名士,益井茂平が、私財を投じて校舎を建て、書物を集めて教育に取り組み,被差別部落の中で開校し,同和教育の取り組みを地元と連携協働して,京都市の先頭に立って推進した学校であり、何とか残していきたいということで,地域のなかにある公共施設(いきセン,ツラッティ,児童館,保育所等)を小学校に移設。さらに移転した公共施設の敷地を賑わい施設(民間業者)を誘導するなど、跡地の土地利用計画について今後の展望を話されました。

 その後,13・14・15棟の耐震改修および浴室設置等住戸内改修工事された住戸の見学と京都市人権資料展示施設ツラッティ千本を視察しました。ツラッティ千本は,同和問題をはじめ広く人権問題を学習する場として,1994年12月1日に開設し,地域の歴史や「きたけん」の取り組み,住民主体のまちづくりの様子などが紹介されており,YTの会から参加したメンバーも展示物を見ながら,当時の厳しい部落差別の現状や壮絶な差別との闘いを思い出し,語らいながら懐かしんでいました。

文責:村上 光幸