再審法(刑事訴訟法)改正へ賛同要請

 

6月18日、京都市長に対し再審法改正への賛同表明を得るため、京都府連より平井斉己委員長、大西信幸書記次長、古谷宏書記次長で京都市役所へ要請に行きました。京都市は、吉田良比呂副市長、並川哲男文化市民局長、工藤直之共生社会推進局長が対応しました。

 はじめに、「再審法(刑事訴訟法)改正への賛同表明について(お願い)」の文書を平井委員長から吉田副市長へ手交し、その後、平井委員長から、「我々京都府連は、狭山事件が部落差別に基づく冤罪事件であるとして、石川さんの再審無罪を求めて闘ってきた。法制審議会での議論が始まっているが、時間がかかりすぎる。市長の署名をお願いしたい」と挨拶がありました。

 次に大西書記次長から詳しい説明がありました。「被差別部落出身の石川さんは62年間冤罪を訴えたが、今年311日に亡くなり、無念のまま無実をはらすことはできなかった。袴田事件では再審決定がされながら、検察が不服申し立てをして9年間再審にいたらず、さらに1年、10年かかり、最終無罪の確定までに58年の歳月がかかった。超党派の議員連盟は国会議員713人中338名である。京都府では今現在26の自治体のうち、ついさきほど宇治市も署名したとの情報があり、25の自治体が賛同署名をしている。本来、解放同盟独自の文書をつくるべきだったが、弁護士会から要請がされているということで、二重の要請になってもいけないということで、弁護士会が作成した要請文の署名をお願いしている」と話しました。

 吉田副市長からは、「我々もうかがった趣旨については必要だと思っている。人権救済という観点からも再審法の早期の改正は必要と認識している。ただ署名については、法制審議会で検討されていることに対して、自治体から議員立法での実現を求める是非について確認したい。それを踏まえて判断したい。」と述べました。

 それに対し、大西書記次長は「議員立法での成立を求める署名ではない。再審法そのものについて、証拠開示と検察の不服申し立てについての改正をしてくれという要望なので、国の政策を批判する中身はない。えん罪被害者を救済するための法改正について賛同をお願いしている」として反論しました。

            

 「答えを放置するということではなく、確認したうえで、我々の考え方についてはまたお伝えして連絡する」と副市長は回答。

 最後に府連から「冤罪の被害者は、その人生そのものを奪われる大変な人権侵害である。京都市民としては、平野義明さんという方が、下京区での放火殺人ということで現在収監されているが冤罪を訴えている。東住吉事件の青木恵子さんも支援している。平野さんは京都市立銅駝美術高校の出身者でもある。『一人も取り残さない』という京都市のメッセージからしても、そうした人へ思いを馳せてほしい」との訴えがあり、吉田副市長から「冤罪という被害については重く受け止めている」との言葉があり、要請行動は終了しました。