部落解放三大闘争に勝利するための決議
私たち、部落解放同盟京都市協議会は、差別のない「共生と協働の社会創造」をめざし、部落解放三大闘争を日常闘争に結合させた取り組みを進めている。
人権の法制度の確立については、昨年12月9日に「部落差別の解消の推進に関する法律」が成立し、16日に公布・施行したことを受け、それぞれの地域、自治体で、法の具体化の議論が続いている。障害者、在日外国人、性的少数者(LGBT)等、個別の人権課題について、個別法を成立させることで、差別禁止や被害者救済を視野に入れた、本来つくられるべき「人権侵害救済法」には手を着けないという現政権の方針は、到底是認できるものではない。ただし「部落差別は許されない」とする法の宣言を、全ての国民、市民と共有し、差別解消、部落解放へと繋げていくために、我々は着実に取り組んでいくことが重要だ。まずは圧倒的市民がこの法律の成立について知らない現実がある。友人、知人に問いかけ、知らない人には、法の目的、意義などについて一人一人が説明する力量を獲得しよう。さらに、京都市行政には、この法律の誠実な履行において、まず、市民に周知徹底すること、そして地方自治体として差別解消の条例作りに着手するべきだと訴えよう。我々がその先頭に立ち、他の人権課題とも連携し、国際基準に見合う差別禁止法を獲得しよう。
狭山の闘いは、第3次再審請求で、検察から187点の証拠が開示され、石川さんの無実を示す新証拠がいくつも発見された。有罪の決め手とされた証拠の万年筆についても、下山鑑定により被害者のものでないことが科学的に明らかになった。取り調べ録音テープによっても、石川さんの自白が取調官の誘導によって嘘の自白がつくられたことが明白になっている。これほどまでに、無罪の証拠が出そろっているにもかかわらず、裁判所はいまだに事実調べを行おうとしない。実に42年もの間放置されている。54年間にわたり、無実を訴えてきた石川一雄さんは、今年で78歳になる。あまりにも長い年月であり、その間、権力による不正義が横行してきたことは、断じて許せない。狭山は本当に大詰めだ。石川さんの無罪を勝ち取るため全力で闘おう。
社会に生起する差別を見抜き、その差別を許さない姿勢を示す、差別糾弾闘争は部落解放運動の生命線だ。部落地名総鑑や、部落解放同盟役員の個人情報をネット上に公開し続ける鳥取ループ・示現社のMとの裁判闘争を勝ち抜こう。同時に、差別を受け思い悩む仲間の気持ちに寄り添い、積極的に相談にのり、克服していける力を一人一人が獲得しよう。
部落解放の闘いは、人間解放の闘いである。厳しい状況であるからこそ、真に希求される理想を求め、一人ひとりの主体的力量を高め、部落解放三大闘争の勝利をめざして闘うことを確認し、ここに決議する。
2017年5月30日
2017年部落解放同盟京都市協議会定期総会
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