市協解放学校で歴史学習会開催
6月4日、京都府部落解放センターにて、京都市協の解放学校が開催され、教員、支部員、宗教関係者等約50名が参加しました。開催に至る経過には、DVD「シリーズ映像でみる人権の歴史」(東映株式会社 教育映像部)の制作に係わり、東映の大熊監督と市協宮崎議長の出会いがありました。特に第1巻「東山文化を支えた『差別された人々』」における、銀閣寺との橋渡しに協力したことから、第2巻「江戸時代の身分制度と差別された人々」と併せて完成版が寄贈されたのです。また、DVDは主に小・中学生の社会科の授業を想定して制作されていることから、人権交流京都市研究集会での実行委員である学校の先生方にも呼びかけて、現在の部落差別の起源をめぐり共通認識を形成しようとする目的で学習の場を持ちました。 学習会では、ビデオ制作に係わった大阪市立大学人権問題研究センター・特別研究員である上杉聡先生をお招きして、講演と映像鑑賞を交互に行い、最後にまとめをいただきました。河原者の高い技術と知識を評価し、銀閣寺の作庭に採用した足利義政は偏見を克服する実例として示されました。また、江戸時代の「士農工商えた非人」という身分構成のとらえ方は現在、すっかり消滅していて、部落は「最底辺」ではなく「社会外」(秩序外)の者たちとして隔離政策が行われていたという点が強調され、その構造は、現在のいじめ問題とも地続きであり、「同和」教育をすることはいじめ対策にもなると述べられました。 時代の変遷とともに差別のとらえ方も変わってきました。大人たちにとっては、かつて教わったことと違う見方をすることは簡単ではないが、世代を超えて共通する歴史観をこれからも深めていく必要があるでしょう。
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