市協「人権確立」部会開催

 

 

 

戸籍等不正取得−いかにして防ぐか継続協議−

 

 

612日(水)午後630分より、部落解放センターにて第3回市協人権確立部会が開催されました。

 議題は、戸籍不正取得に係わり、京都市が行った被害者通知と結果。その後の職員研修と事前登録型本人通知制度の導入にむけて、ということで、京都市からは、地域自治推進室市民窓口企画担当である根来課長、人権文化推進課、市民啓発担当の黒川課長、事業担当土井課長の3名が出席。市協からは、各支部代表の部会員7名が参加しました。

 まず、被害者通知については、プライム事件の佐藤隆が京都市で不正請求した78件のうち被害者数は44名であり、213日以降に通知し、10名と面談したとの報告がありました。面談で聴取した意見としては、@何に使われたか心配、A制度を改正してほしい、B通知を受けて不安になった、C心当たりがない等であった。また、群馬ルートについて、谷口信寿は昨年927日に逮捕され、44日に懲役4年、執行猶予3年の刑が確定したことから、209件の請求に対し520日以降、被害者165名に通知したこと。今回から戸籍筆頭者死亡についても、配偶者その他戸籍の成員に通知をおこなったことから通知の割合は増えている。面談は13人行った、とのことでした。

 出席者から、「職務上請求用紙を使用して戸籍を請求することのできる8士業において、請求事由が職務と合致していないことを、窓口職員が見抜くことができないということが問題ではないか」との問いかけに関し、京都市は5月に職員研修を行い、関係所属長に説明していると答えたものの、市協としては「事実としては、末端の職員にこうした情報が行き渡っていないこと」、「職員研修を怠った結果として、本人が知らないところで戸籍等が不正に第三者により取得されるということであれば、「住民基本台帳法第3条【市町村の適正管理義務】に抵触するのではないか」と指摘がありました。

 今後も、職員のスキルアップを図ること、さらには、この不正請求を防ぐ手段としての「事前登録型本人通知制度」導入の検討を要望して、部会を終えました。

 

 本人が全く知らないうちに、第三者から戸籍や住民票等の個人情報が盗まれ、悪用されているとすれば、そのこと自体が重大な被害です。京都市が、年度をまたぐことなく、本人通知制度を導入し、2月にはじめて通知したことは評価できますが、通知された人の中で面談に至る割合が非常に少ないこと。通知のみで連絡をとらない多くの人が、どのような思いでいるのか知る手段がないことが、もどかしく感じられました。

 こうした状況においては、家族単位で一覧的に登録される、戸籍制度の問題点を抜本的に整理し、個人登録制に切り替えていく方策も、そろそろ本気で検討されるべきでしょう。

 なお、この問題については、人権交流京都市研究集会のHPから下記をご参照ください。

  集会基調 http://www.kyoken.jp/44/houkoku44/kicho44.htm

  第1分科会報告 http://www.kyoken.jp/44/houkoku44/1houkoku44.htm