部落解放三大闘争に勝利するための決議(案)
私たち、部落解放同盟京都市協議会は、差別のない「共生と協働の社会創造」をめざし、部落解放三大闘争を日常闘争に結合させた取り組みを進めている。
人権の法制度の確立、とくに人権侵害救済制度の実現に向けた闘いは、安倍内閣のもと厳しい状況での取り組みとなっている。昨年7月の参議院選挙で巨大与党となった現政権は、景気回復策を全面に押し出した「アベノミクス」によって高い支持率を維持しながら、憲法改悪を始め、国権主義、反人権主義の政治を強行している。しかし、我々はこれまで積み上げてきた闘争を踏まえ、いかなる政権であろうとも、人権や平和の確立は政治の中心課題であることを訴え、「21世紀人権政策懇話会」などの超党派での推進体制を強化し、広範な市民運動とも連携しつつ、実効性のある法制定を目指していく。
狭山の闘いは、事件発生から51年が経過し、かつてない最大の山場を迎えようとしている。2009年から開始されている3者協議により、開示証拠は3月25日付で136点になった。3月27日には同じく捜査の不正と証拠ねつ造により48年も死刑囚として拘束されていた袴田巌さんの再審が決定され釈放された。狭山事件についても全証拠の開示と事実調べ実現にむけて、さらに大きな世論をつくっていこう。今年こそ、石川さんの見えない手錠をはずすべく、狭山再審闘争の勝利に向けて、全力で闘いをすすめよう。
見せかけの景気浮揚に反して、消費税増税と物価高、生活保護費をはじめとする社会保障費削減等により、人々の暮らしは苦しくなる一方であり、非正規労働者は2千万人を超え、労働者の4割、女性では6割近くが不安定な労働環境を強いられている。格差と貧困が蔓延し、人々の鬱憤はときとして、差別扇動に容易に踊らされ、街頭でのヘイトスピーチが横行している。差別を許さないという強い気持ちを多くのマイノリティ当事者と共有し、連帯する課程で、差別禁止に向けた法制定の内実を深めていこう。
戸籍や住民票の不正取得に対し闘ってきた我々は、不正に使われた事実を知る権利として「事前登録型本人通知制度」を勝ち取った。情報の自己コントロール権を行使する必要性を多くの人々に訴え、共有し、登録数を増やす取り組みを展開していこう。
部落解放の闘いは、人間解放の闘いである。厳しい状況であるからこそ、真に希求される理想を求め、一人ひとりの主体的力量を高め、部落解放三大闘争の勝利をめざして闘うことを確認し、ここに決議する。
2014年5月20日
2014年部落解放同盟京都市協議会定期総会
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