2025年 部落解放同盟京都市協議会
各支部 支部長新年挨拶
■千本支部 支部長 西名 貴史
明けましておめでとうございます。
昨年より千本地域では、改良住宅の解体工事が始まっています。見慣れた街並みが変わり、少し寂しく感じる時もありますが、千本支部では「じうん」をはじめ各関係団体と協議を重ねながら、昨年続いた災害の教訓も生かし、ハード面だけではなく高齢者や子育て世代など社会的弱者が孤立しない、助け合える新たな地域コミュニティづくりなどソフト面を考えながらまちづくりを進めています。また、6月に開催した第57回千本支部定期大会において新体制でスタートすることになりました。支部員の減少により支部活動が大変になっていますが、支部員一人一人が責任をもって本年も活動していきたいと思います。
■田中支部 支部長 梅井
義行
新年あけましておめでとうございます。謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
今日における世界情勢は、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルによるパレスチナ自治区ガサ地区の侵攻など、世界各地で戦争や紛争で尊い命が人の手によって奪われています。戦争こそが最大の人権侵害であり、決して許すことができず、改めて反戦平和を強く訴えていく必要があります。
さて、部落差別解消推進法が制定され8年目を向かえますが、国の責務として部落差別のない社会実現を目的とし施行されたはずが、インターネットやユーチューブ上での差別事象は日々洪水のように垂れ流されています。「寝た子を起こすな」とは、部落差別の実態を教えず・知らせずということであり、本人自身が被差別部落出身であることを知らず、社会的立場の自覚が足りない人をも、差別や偏見を持った者がネット配信・ユーチューブ動画等々で「寝ている子」を起こしつづけ、起こされた子は差別意識や偏見を持たされ起きてくるかもしれません。自身の出自を隠したり、隠さざるを得ない生き方は、差別を受けても我慢することであり、私たちは、部落の実態を暴く者に対して抗議するとともに、法の基本理念を実現するために条例制定に向けて取り組む必要があります。
さまざまな課題がありますが、部落差別は100年以上経っても社会に深く根付いている現実を目の当たりにして、先人たちの熱い思いを継承して少数精鋭ですが、兄弟姉妹とともに寄り添いながら、心の団結をし、地元に信頼される運動を軸に、人権が尊重される社会を構築するために荊冠旗の下、各支部と連帯して地道な活動を展開する決意です。
■錦林支部 支部長 森下
信一
新年あけましておめでとうございます。
今般の世界情勢を見ても戦争により人間としての尊厳を無にした出来事が多く心が痛みます。戦争については人権そのものを否定した行動であり決して許すはできません。改めて戦争反対を訴えていかなければないと思います。
さて、国内の政治情勢では昨年は与党が過半数割れをし、捻じれ国会となり、政権自体が揺れています。今年の夏には参議院選挙を控えており今後の政治情勢が大いに気になるところであります。京都市においては門川市政から松井市政となりこちらも今後の市政運営が気になるところであります。社会情勢では昨年、被差別部落の地名公表(いわゆる地名総鑑)、出版禁止等を求めた裁判において原告側勝利と最高裁において二審東京高裁判決が確定しました。しかしながら、未だ様々な形で差別は存在し、私たちが求める解放には程遠い状態にあります。
また、昨年は、冤罪により無実の罪で長年人権を奪われていた方の無罪判決が確定しました。石川さん(狭山事件)についてなんとしても冤罪を晴らし無実を勝ち取らなければなりません。
私たち錦林支部において微力ながら取り組みを進めていく所存です。
■東三条支部 支部長 木下松二
新年あけましておめでとうございます。謹んで年始のご挨拶を申し上げます。
昨年10月一度再審で死刑が確定した袴田巌さんに無罪判決がでました。この結果は我々にとって大きな出来事であり、これを機に狭山再審開始にむけて情宣活動、署名活動を展開していき「証拠の捏造」や「不当な取り調べ」などを指摘し、無罪を求めて活動を続けていきます。
東三条地域でも2024年12月に、三条駅周辺地域が「都市再生緊急整備地域」に指定され、地域全体の再開発や活性化が期待されています。この指定により、都市機能の強化や魅力的な都市空間の創出が進められる予定です。三条駅周辺の再開発は、地域住民にとって生活環境を大きく変える可能性を持つプロジェクトです。その成功の鍵は、行政と住民の協力によるバランスの取れた都市づくりにかかっています。住民参加型の計画が進むことで、より良い再生プロジェクトが実現すると期待されています。支部も三条まちづくり協議会や自治会などと連携を取り、積極的に取り組んでいかなければなりません。観光客向けの施設が増えることで地域全体の経済が活性化し、雇用機会も生まれる可能性があります。共生社会の実現に向けて取り組みを進めていきます。
以上をもって年頭のご挨拶とさせて頂きます。
■西三条支部 支部長 谷口
眞一
新年あけましておめでとうございます。
西三条支部では1995年から「福祉で人権のまちづくり運動」を活動の基軸として、高齢者宅への見守りをはじめ校区内外の子ども達を対象に「こどもの居場所づくり(子ども食堂)」やヤングケアラー支援、年末生活困窮者支援物資配布などに取り組み、学生ボランティア、地域ボランティア、中京いきいき市民活動センター等と協働して活動を進めてきました。また、2019年6月に立ち上げた「あかしやふれあいまちづくり協議会」は、多くの皆様方の協力のもと活動を継続し、定期的に開催しているコア会議では住民の声を聴きながら行政に対して改良住宅建て替え等の提案をおこなうことで、いよいよ今年5月には最初の更新棟が完成します。今後は、新たな住宅に、障害者グループホームの誘致や、子育て世帯、ひとり親世帯などが住み続けられる施策を提案することで、人権と教育、文化が息づくまちづくりを推進するべく、強い信念で取り組んでいく決意であります。
京都市協議会に集う仲間のみなさま、また日頃ご支援をいただいているみなさまに、謹んで新年のごあいさつをいたします。
昨年は、元旦の能登半島地震にはじまり、酷暑や大雨、度重なる列島の地震など多くの自然災害に見舞われました。災害の復興に際しては、高齢化や過疎地であることが妨げになるなど、今後の日本列島の課題と重複しつつ、能登半島では現在も困難な状況が続いています。「自己責任」や「共助」のみに期待して、福祉や人権にかかわる政策をないがしろにしてきた日本政府の「つけ」が今、私たちにまわってきていると感じます。これからは公的支援の在り方「公助」をあらためて手厚くしていくべきだと思います。
七条支部のある崇仁地区においても、高齢者の独居率はますます高まり、地域の活力やコミュニティは衰退していますが、京都市立芸術大学が移転してきて以来、若者との交流など少しずつ活気を取り戻している側面もあります。地域の歴史的背景に根差した、多様性を大切にする「まち」になるよう、微力ながら取り組んでいきたいと思います。
■吉祥院支部 支部長 吉田 渉
新年あけましておめでとうございます。吉祥院支部に向けたご支援、ご協力に心より敬意を表します。
吉祥院支部では、NPO法人ふれあい吉祥院ネットワークを中心に地域住民相互の理解と連帯を深め、積極的に人権啓発活動を推進し、「こころふれあうまちづくり」を目指した粘り強い運動を展開しているところです。
また、地域の伝統文化であり、吉祥院支部の部落差別の闘いとともに歩んできた、重要無形文化財である「吉祥院六斎念仏」の活動をバックアップし、その中で吉祥院の歴史を知り、文化を継承していく取り組みもすすめています。
私達を取り巻く部落差別は今もなお、姿形を変え脈々と生き続けています。情報流通プラットフォーム対象法が施行される事によって、インターネット上の差別動画や差別投稿が早期に削除されやすくなるとは思いますが、その為には支部によるモニタリング、報告が必要です。支部員一人一人が部落差別を許さない意識を高め、一日も早い部落の完全解放に向け、支部員の総力を挙げて取り組んで参ります。
■久世支部
支部長
西田 信彦
新年明けましておめでとうございます。
テレビ画面から流れる情報だけではなく世の中の流れはSNSから発信される情報を一人一人が判断し決断をする新しい風が吹いてきました。
何が嘘で何が本当か?
この判断で世の中が変わってしまう状態は本当に難しいところですが、世の中の差別や部落に対する情報を知らない者たちが間違った情報を信じ、部落差別等の問題がさらにひどくならないようにするためには、今以上にSNS等を利用した正しい情報を発信して行く必要があると思っています。
部落解放運動をさらに前進させ、差別や部落に対する間違った知識に対抗する力が求められています。
一人暮らしのお年寄りが増えている現状は大きな問題として日常的に報道されています。こういう生きにくい世の中だからこそ、一人一人が助け合う世の中にしていきたいですよね。
そのためにも広い視野をもった町づくりを目指さなければいけません。
また、久世支部としては京都市協における各部会に積極的に参加し、久世七ケ町を基盤とする取組である「NPO法人桂川・新川の河川美化をすすめる会」等の活動をとおし、久世地域の連帯と友好を深める自分達の住む街をより好きになるように取り組みをさらに進めていきたいと思います。
■清井町支部 支部長 藤木輝幸
新年あけましておめでとうございます。
部落解放同盟京都市協議会清井町支部長として、新年を迎えるにあたり、皆様に心よりご挨拶申し上げます。
昨年は、私たちが長年抱えてきた課題に対して、更なる努力と協力の中で多くの前進がありました。しかし、未だに社会には差別や不平等が根強く存在し、それらを克服するためには引き続き一層の団結と強い意志が必要です。私たち清井町支部は、50周年の節目を迎え、部落解放のために一歩一歩前進し、全ての人々が平等で尊厳を持って生きられる社会を築くことを目指しています。今年も、地域社会との協力を深め、部落問題に対する理解を促進し、解放運動のさらなる発展に力を尽くしていきます。
2024年も皆様と共に、明るい未来に向かって歩んでいけることを心より願っております。どうか本年も変わらぬ支援、ご協力賜りますよう御願い申し上げます。
■辰巳支部 支部長 神原 弘明
「支部結成から50年、差別のない社会をめざし、たたかいます」
部落解放同盟辰巳支部は、1975年11月に醍醐辰巳支部として結成されました。1978年の同盟員再登録運動のときに辰巳支部に改称していますが、本年11月15日で結成から50年を迎えます。
右往左往しながらの初期の運動でした。狭山上告棄却の際には、とにかく上級機関の指示には応えなければと、ムラの中での抗議の座りこみ抗議。冷ややかな視線もありましたが無我夢中でした。たたかいのなかで自信をふかめ、あるいは過ちもありましたが、多くの仲間に支えられて今日まで取り組みをつづけてきました。功罪はあるものの、ムラの風景も大きく変貌をとげました。
最盛期には140人を超える支部員でしたが、今は結成時同様の20数人となってしまいました。ギラギラとしていた熱はどこにいってしまったのか、さみしくもあります。
■改進支部 支部長 松田 敏明
新年おめでとうございます。年頭にあたりまして改進支部を代表しましてご挨拶申し上げます。
狭山事件が発生して今年で62年になりますが、いまだ石川さんには見えない手錠がかけられています。狭山事件ではこれまでも多くの新証拠が提出されましたが、確定判決以来、鑑定人の尋問などの事実調べが全く行われていません。裁判所は「無実の人を冤罪から救済する」という再審の理念、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則に従って、鑑定人尋問を行い、狭山事件の再審を開始すべきであります。これまで二度にわたって再審請求が棄却され、今は三度目の請求中であり、この第三次再審は2006年に請求してからすでに19年が経ちます。
また、再審無罪を一日も早く実現するために、「再審法」(「刑訴法」等)の改正も急務の課題とされています。「再審法」改正は、現在の再審制度の不備を改正し、冤罪被害者の速やかな救済のために再審の手続きを公正・公平なものにするものです。
私たちは、これからも「狭山事件は部落差別にもとづく冤罪事件である」ということを念頭に置き、狭山闘争を闘い、再審を求める世論を広げなければなりません。そして、人権・平和、部落差別をはじめ、一人ひとりの人権が尊重される社会の実現のため、京都市協議会11支部が総団結して頑張りましょう。
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