2025年 松井新市政ではじめての京都市表敬訪問
部落解放同盟京都市協議会は1月10日(金)午後4時40分より、京都市役所にて京都市へ表敬訪問をおこないました。木下松二議長をはじめ市協役員、平井斉己府連委員長、安田府連副委員長、支部代表者など15人が参加しました。京都市側は吉田良比呂副市長、山本ひとみ文化市民局長、工藤直之共生社会推進室長らが対応しました。
古谷宏事務局長の司会により開会し、市協側の自己紹介ののち、代表し木下議長が挨拶しました。
戦争・紛争の絶えない世界状況に触れた後、武力ではない話し合いによる解決が大事であることを述べ、国内状況についても「政治と金」の解決がほど遠い現実と、国民の生活を守るため税金の使途について議論がなされるべきとしました。また昨年10月の部落地名総監復刻版裁判が最高裁で結審したことについて、棄却は残念であるが東京高裁の「差別されない権利」が確定したことは成果である述べました。戸籍の不正取得が20年前からさらに頻繁になされている現実について、部落を差別し排除したい人々が存在するという現実に向き合うため、京都市の支援、協力をお願いしたいと結びました。
次に平井斉己府連委員長が挨拶し「京都市役所を舞台としたオールロマンス事件当時のような環境からは、当然変わりつつあり、京都市政が全国に先駆けた同和行政を進めてきたことは歴史に刻まれることと思う。しかし一方でSNSでは晒し行為が蔓延しながら、かつてのような当事者をはさんでの糾弾や意見交換の機会もなく、啓発や反省もないままに確信犯的行為が野放しである。差別禁止や人権委員会設置等の法整備が必要であり、このことは国に対して求めていくが、京都市政の中でも差別を許さない取り組みについて引き続きお願いしたい。京都府では人権業条例が議論され、府内各自治体でも設置をしていきたいという意向が示されている」と述べました。
続いて進行を京都市側に移し、吉田副市長が「昨年を振り返ると、この時期能登半島地震に対する職員派遣についてどうしていくかという議論があり、もう一つ、京都市長選があと1か月ということで我々一同緊張感が高まっていた。おかげで松井市長が誕生したが、門川市政とはまた違う個性があると感じている。2025年度予算にあたっての11プロジェクトには松井カラーが出ていて、経済重視や市民との対話重視などの方針があるが、根底にあるのは世界文化自由都市宣言である。また、重層的支援体制の充実を通して人権課題について地道に取り組みたい。市長のフレーズとして『突き抜ける世界都市京都』というのがある。それには豊かで安心できる市民生活が必要であり、そのためにみなさんと意見交換をして、議論することが大事だと思う。」と挨拶しました。
引き続き、若干の懇談がおこなわれました。
木下議長が「私が青年部の頃から半世紀近く運動をしてきた中で、最近思うのは、差別され自尊感情をつぶされてきた人たちへの取り組みが、これまであまりに少なかったのではないかということ。具体的な相談以外にも気持ちを受け止められる場所があったらいいと思う」と述べ、吉田副市長は「我々もワンストップの対応が大切と思っていて、困りごとの受け止めについて連携できる環境を、区役所や市民の団体でつくっていきたい。それには、皆さんが培ってきたノウハウを大事にしていきたい」と答えました。
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