2025年 部落解放同盟京都市協議会議長 新年挨拶
新年あけましておめでとうございます
部落解放同盟京都市協議会の活動に対してみなさまからご支援ご協力を賜り心より感謝申し上げます。2024年は能登半島沖地震で多くの方が犠牲となり、あまりの被害の大きさのため1年経った今も生きる希望が持てないままの方もあるようです。
また、人権を取り巻く状況は、ロシアによるウクライナへの攻撃がはじまって今年で3年になり双方に多くの死傷者がでています。そして、イスラエルによるガザやレバノンへの攻撃によっても多くの人々の命が奪われています。即時停戦をおこない話合いによる解決をおこなうことを私たちは強く求めます。
また、国内においては政治とお金の問題で政権交代となったにもかかわらず、その解決が進まないまま国会運営がおこなわれています。さらに、長い間国民生活を苦しめてきた、税金のあり方について、見直しをおこなうことになりましたが、178万円まで税金がかからないようになれば、国や地方合わせて8兆円の税収が減ると言って財務省は阻止しようとしています。しかし、税収が減った分は、天下るための公益法人や公共事業などの見直しや廃止をおこなうことで解決できると思います。国家とは国民あっての国家です。国民が苦しんでいる今こそ、政治の役割は大きいと言えます。
さらに、部落問題を取り巻く状況は鳥取ループ・示現舎による「全国部落調査」復刻版の裁判で東京高裁は「差別されない権利」を認めました。また、大阪地裁においても「部落探訪」の配信は「部落を晒し差別を助長する行為であるということを認め、写真や動画の削除はもちろん、今後一切の方法による公表も禁止する判決が下されました。これにつづく埼玉や新潟での裁判においても私たちの主張が認められるものと思っています。
次に,狭山事件ですが,石川さんは無実です。事件当時「生きた犯人」を逮捕することにこだわった警察が被差別部落に集中的に見込捜査をおこない、事件当日のアリバイが曖昧で血液型がB型の石川さんを無理やり犯人に仕立てたのです。不思議なことは、犯人であるはずの石川さんの指紋がすべての物的証拠から発見されていないことです。しかも、発見された万年筆や鞄・腕時計などは被害者の持ち物ではないことも明らかなのです。再審を開始させるために狭山弁護団は万年筆のインクの違いを証明し、東京高裁に再審を求めています。みなさんのご支援をよろしくお願いします。
さらに,部落かどうかを調べるために、戸籍謄本等の不正取得事件が約20年前から頻繁に発覚しています。不正取得は許されない犯罪ですが、「部落」の人かどうかを知りたがる人がいるからこの事件はなくならないのです。差別される理由は「部落」だからではありません。家柄や血筋などという幻想によって人間にランクがあるかのように思わせるために差別があるのです。私たちは部落問題の解決をはじめ、すべての人々の人権を守る社会の実現をめざしてこれからも活動してまいります。
今年も,部落解放同盟京都市協議会は更に前進をめざして闘いをおこないます。昨年同様みなさんのご支援ご協力をお願いします。
部落解放同盟京都市協議会 議 長 木 下 松 二
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