コロナ禍にも 京都市表敬訪問

 

   

 部落解放同盟京都市協議会は113日(水)午後430分より、京都市役所北庁舎4階第1応接室にて京都市へ表敬訪問をおこないました。宮崎茂議長をはじめ市協役員、平井斉己府連書記長、支部代表者など、今年は新型コロナウイルス感染に配慮して、10人にしぼった参加となり、京都市側は村上圭子副市長、別府正広文化市民局長、山村敏雄共生社会推進室長らが対応しました。

 村上光幸市協事務局長の司会で進行され、自己紹介の後、宮崎議長が挨拶をし、「現在、コロナ禍の状況で、私たちの活動も制限されているが、昨年来、府下の市町村を回って意見交換し、来年の全国水平社100年までに人権にかかわる条例をつくっていきたいと協議している。京都市の予算の組み立ても大変厳しいと聞いているが、しんどいところを共有しつつ乗り切るべきだと思う。私も議長に就任して10年がたつので、一つの集大成としてがんばっていきたいと思っているので、今後ともよろしくお願いしたい」と述べました。

 次に平井府連書記長が挨拶。「2点申し上げたい。コロナ禍の最中で、感染者への忌避、差別が発生した。我々としては人権3法の視点をまもりつつ、コロナに関しても市民のみなさんに啓発することが重要だと思っている。京都府連として、京都府に条例づくりの要請をしたところであり、京都市もご検討をいただきたい。2点目は、お礼として、我々が設立した特養、『うずまさ共生の郷』が何とか体力に見合った活動ができている。利用者や職員への感染予防に取り組んでいるので引き続きご協力願いしたい」と述べました。

 山村室長から京都市側の紹介がおこなわれ、村上副市長が「今朝、行財政改革の本部会議ということで門川市長から、幹部職員へ『全職員に改革の目的をしっかり共有し、未来の世代のためにも持続可能な京都市政でなければならず、一人一人の職員が足元を見つめなおし点検するように』と呼びかけがあった。医療崩壊の一歩手前のぎりぎりのところまで来ている。感染拡大を止めるのは、とにかく数を止めるしかない。ウイルスに立ち向かう人間同士が誹謗中傷。不安や恐れを非難するのではなく正しく恐れることの啓発に努めたいし、こういう折に本当に人権についてしっかり考えようと呼びかけたい」と挨拶しました。

 その後の懇談では、副市長が本部会議の折には、市長から職員の給与カットの話まで出たことや、保健センターの保健師の超勤問題がどれだけ増員しても解決しないこと。ワクチンへの期待が高まり、3月中旬くらいから、医療関係者、その後65歳以上の高齢者、リスクのある人と接種をおこなっていくことになるが、スムーズにできるかどうか心配していることなどが話されました。京都市内には高齢者が40万人いて、元気な人ばかりではないうえ、ファイザー社のワクチンはマイナス70度以下で保存する必要があることなど、国の指示とはいえ、実際の作業を考えると気の遠くなる話ではあるとも述べ、医療機関との調整も含め、現場の苦境が伝えられました。

 平井書記長は、来年度予算編成について、市内のまちづくり、団地再生計画が先送りになることは、せっかく計画を立てている中、単純な住環境保障ではない、周辺も含めた議論として積み上げてきたので、冷え込まないかと心配していると述べました。宮崎議長も予算の執行だけではない、資産の活用という観点を提案。副市長も、京都市が財政再建団体になるというシュミレーションを回避するため、投資的施策も工夫して検討すると同意しました。

 最後に、部落解放同盟が全国水平社100年に向け、島崎藤村の「破戒」を原作とした映画製作を企画していることから、ロケ地は全国に及ぶものの、撮影は東映の京都撮影所が中心になり、市内のロケもあるとして、京都市の協力をあおぎ、訪問を終えました。