2020年 部落解放同盟京都市協議会
各支部 支部長新年挨拶
■千本支部 小林 茂
あけましておめでとうございます。
昨年4月に行われた統一地方選挙におきまして、皆さんのご支援ご協力もあり7121票を獲得し、組織内候補者の平井斉己が厳しい選挙戦を勝ち抜き3選目を果たすことが出来きました。この場をかり、兄弟支部のみなさん、ありがとうございました。
また、千本地域では、これまで千本の人権教育を実践してきた千本4校の一つ楽只小学校が4月に統廃校になり10月には浴場の廃止など、まちの環境が変化してきました。しかし、一方で楽只小学校跡地活用の方向性が決まり、団地再生では、賑わいゾーンなど、千本のまちづくりについての構想を協議し始めています。
今後は、「じうん」や地域の各種団体と協議しながら、新しい千本のまちづくりを実践していきます。
■田中支部 梅井 義行
昨年の5月1日に「元号」が代わり、若年層を巻き込み、国内では様々な祝賀ムードが演出されました。長期化した現政権は、強権的な政治運営により国民統合を強め、「戦争をできる国」づくりを着々とすすめています。
このような状況のもと、3年前に人権3法が成立しました。とりわけ「部落差別解消推進法」については、部落差別の実態把握のため、市町村と連携しての取り組みを強化し、差別を解消するには相談体制の充実がもっとも重要であり「部落差別解消推進法」の具体化を図るために、条例化の必要性を求めていかなければなりません。
また、京都市において2011年に策定された「京都市市営住宅ストック活用計画」は予算の関係上、白紙に近い状況でありましたが、昨夏に我が地区を含む4地区について、団地再生計画検討団地に位置付けることが発表されました。今後の事業計画や予算化を求め、地元組織である「養正まちづくりの会」と連帯して、強い自治意識をもって積極的な取り組みを図っていきます。
一方、雇用を中心とした社会情勢は厳しくなる一方で、貧困格差が大幅に拡大し社会が不安定になるほど、部落差別や社会的弱者に対する差別が強化されることは、歴史が証明しています。あと2年余りで全国水平社創立100年を迎えるにあたり、三大闘争勝利への闘いに繋げていくために、京都市協荊冠旗のもと、方針に基づき各支部と団結し微力ながら活動をすすめていく決意であります。
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錦林支部 森下 信一
安倍首相の長期政権により、貧富の格差が拡大し、貧困問題は深刻化をしている。
一方で、憲法の改正を目指し「戦争の道」へと推し進めようとしているが、私たちは、反戦平和、人権社会構築を目指す取り組みを進めていかねばなりません。また、人権3法といわれる「障がい者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」「部落差別解消推進法」が2016年に成立したが、特に、「部落差別解消法」については、具体的な取り組みが進んでいない状況で、まだまだ課題等が山積しており、一層の取り組みを推し進めていかなければなりません。
今年は、京都市長選挙が行われるが、わたしたちが推薦する候補者の必勝に向け、格差がない社会を実現するために取り組みを行い、多くの仲間や連帯する市民と連携しながら、人権が確立される社会をめざして邁進してまいります。
「部落差別解消推進法」が施行され、今も部落差別が残っていることが明記されました。教育や啓発のさらなる推進と充実を求めて京都市へ部落差別をなくしていく条例を求めましたが、「当面は条例の制定は考えていない」という回答でした。京都市はどのようにして部落問題を解決していこうと考えているのでしょうか?部落差別は差別する人がいるからなくならないのです。部落差別をなくす条例を早急に制定して一日も早く教育や啓発に取り組んでほしいと思います。
部落差別があることは格差や貧富の状態を固定化することにつながります。誰もが自分の希望する人生を実現できる世の中になってほしいと思います。そのために今年もがんばります。
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西三条支部 谷口 眞一
新年あけましておめでとうございます。
1995年に中央本部がまとめた「新たな解放理論の創造にむけて」を受けて、西三条支部では、福祉で人権のまちづくり運動を基軸に朱雀第四学区自治連合会の皆さんをはじめ多くの各種団体の皆さんと協働による取り組みを進めて、今年で25年を迎えます。
一方、築50年以上経過して老朽化と狭隘化した改良住宅は、若者の流出と少子高齢化を加速させ、閑散としたまちになり活気が失われています。私たちは西三条地区の住環境改善を通して、学区内を教育、文化、福祉、人権のまちを目指し、昨年6月7日、地元の各種団体の皆さんや市会議員等の賛同を得て「あかしやまちづくり協議会」を結成しました。そして、8月9日には門川大作市長への要望活動を行い、整備促進が進められることになりました。
2022年3月3日「全国水平社創立百周年」をむかえ、さらに2023年4月1日には「西三条水平社創立百周年」をむかえます。百年前、先人たちが差別からの解放を願い立ち上がった精神を受け継ぎ、支部百周年を新たな人権で福祉のまちづくりのスタートとしていくため、支部員をはじめ部落大衆や学区の人々と連帯して飛躍する年にする決意であります。
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七条支部 岸田 一彦
昨年も、日本国内では9月の台風15号、10月の台風19号と立て続けに豪雨災害に見舞われ、地球環境の悪化を誰もが実感することとなりました。国連ではスウェーデンの16才の少女がこれまで、人類が無策に自然環境を破壊してきたことに対し、未来に生きる子供の権利として大人たちを批判しました。もっともなことだと思います。
私たち七条支部でも、崇仁地区が未来を担う若者たちにとって、差別のない希望のもてるまちとなるよう、微力ながら取り組んでいきたいと思います。
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吉祥院支部 關 正雄
吉祥院支部では,NPO法人ふれあい吉祥院ネットワークを中心に人権啓発事業やイベント等を実施し,地域住民による,人権を尊重する「吉祥院のまちづくり」を目指した取り組みを行っています。
部落解放運動を人権のまちづくり運動と言い換えてはいますが,根っこの部分は,部落差別を原点とする闘いです。部落解放運動を進めていく中,一人ひとりの責任の重さを今一度,認識しなければなりません。同時に部落差別を解決するために,最も必要とされるものは理屈や理論ではなく,水平社宣言の「人の世に熱あれ,人間に光あれ」と唱えられた如くの溢れんばかりの熱い想いです。これを自らの課題としていくことが重要です。
1980年7月5日,地域の有志34名で吉祥院支部を立ち上げてから,今年で40年を迎えます。私たちを取り巻く状況を踏まえ,これまでの運動を振り返るとともに,今後の部落解放運動の方向性等を再確認し,一日も早い部落の完全解放に向けて,支部員の総力を挙げて取り組んで参ります。今後とも,皆様のご協力,ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
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久世支部 川瀬 武
昨年は同和対策事業50年という節目にあたり、これまで久世地域において実施された事業を振り返る中で、何よりも「桂川・新川環境整備事業」(一般対策として事業実施)が久世地域全体の「まちづくり」に大きく寄与したことを改めて確信しました。
当時、地域の中を流れる「新川」は、部落差別を容認するかのように悪臭とごみが溢れかえり、その周辺には「バラック住宅」が密集して建ち並ぶ劣悪な環境でした。
現在、その跡地は緑豊かに住民の憩いの場へと大きく変貌を遂げています。私たち久世支部は、これら事業の成果と地域での運動の歴史を風化させることなく、本年も引き続き地域と共に「人権尊重のまちづくり」を支部運動の大きな柱として取り組んでまいります。
また同時に、市内各支部(部落)の共通課題を論議する『市協・三部会』への積極的な参画と、部落差別をはじめとする全ての差別の撤廃、とりわけ「部落差別解消推進法」を真の部落差別解消に向けた実効性あるものとするため、京都府・京都市に対して一日も早い「条例制定」を、府連・市協の一員として市内の仲間とともに取り組んでいく決意を申し上げ2020年の新年あいさつと致します。
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清井町支部 藤木輝幸
「部落差別解消推進法」が成立し、部落差別を許さない社会づくりを目指すこと目的にしていますが、残念ながら現在も、差別が拡散、拡大し、格差・貧困の問題はますます深刻化しています。このような問題を早く解決する為にも部落解放行政推進を強く求め、差別撤廃への取り組み姿勢を明確にさせるとともに人権侵害救済のシステムや差別を禁止する法制定に向けて、改めて部落問題の解決への行政責任を明確にさせなければなりません。社会的に対する差別が公然とおこなわれている社会状況にあって、人権法の積極面や課題を共有化し、包括的な人権の法制度の確立、特に人権侵害救済制度の創設を目指すことは急務の課題であります。清井町支部は、あらゆる差別の解消、弱者救済の為に本年度も積極的に運動を取り組んでいきたいと思います。
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辰巳支部 村上 真次
辰巳支部を代表しまして、年頭のご挨拶を申し上げます。
狭山最新闘争も重要な段階にさしかかっています。無実の石川一雄さんは、今年80歳を迎えました。1日も早く再審を勝ち取らなければなりません。
安倍政権は憲法改悪を公言しています。これを許せば、人権は無視され、民主主義は否定され、戦争国家に突き進んでしまいます。
厳しい時代ではありますが、私たちは、差別に反対し、平和をもとめ、多くの人々と手をたずさえ、人権の保障された社会をつくるため、京都市協の兄弟姉妹と共に、地道にたたかっていきますので、よろしくお願いします。
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改進支部 松田 敏明
昨年、部落解放同盟京都府連合会改進支部が荊冠旗のもとに結成され、半世紀になりました。私たち改進支部は、これまで部落の完全解放はもとより、あらゆる差別の撤廃に向け、支部員の総団結で闘いの前進をめざし取り組んできました。しかし、現在においても、私たち部落解放運動を取り巻く情勢は、大変厳しい状況に置かれているのも事実であり、人権確立とは真逆の反人権主義・国権主義の勢力が増大してきています。
憲法の三原則である国民主権・平和主義・基本的人権の尊重が厳守され、部落差別をはじめとするあらゆる差別がなく、一人ひとりの人権が尊重される社会の実現を勝ち取らなければなりません。そして、戦後70年間、憲法9条に基づき平和を推進してきた日本を、これからも恒久平和主義の国として守るべき責任は私たち国民一人ひとりにあり、それを果たし得る政治を求めなければなりません。「人権は平和の中でしか守れない」、それは歴史の中でも明らかであります。
本年も、京都市協議会に結集し、総団結をもって部落解放運動の前進を勝ち取りましょう。
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