狭山事件の再審を求める市民集会
つぎつぎと無実の新証拠!有罪判決の誤りは明らか!再審開始を!
10月31日(水)午後1時より、東京日比谷野外音楽堂にて、狭山事件の再審を求める市民集会「つぎつぎと無実の新証拠!有罪判決の誤りは明らか!再審開始を!」が開催され、3000人収容の音楽堂が埋め尽くされ、京都市協からも10名が参加しました。
1963年5月1日に狭山県埼玉市で起きた女子高生殺害事件、いわゆる狭山事件で犯人にでっち上げられた石川一雄さんは、無実の罪を着せられた無念を、もう55年間も抱えています。この日は、44年前に東京高裁の寺尾正二裁判長が、無期懲役判決おこなった屈辱の日であり、不当逮捕のあった5月23日と合わせて、毎年年に2回開催される中央集会です。集会でのあいさつで、石川さんは「昨日は判決を思い出し眠れなかった」と語り、「現在、これほどの新証拠が明らかになり、寺尾さんも反省することになっただろう。真実は一つであり、必ず明らかになる。司法を揺るがす声をあげてほしい」と、第3次再審請求闘争が、本当に最後の山場にあり、最大限の支援が必要であることを訴えました。
集会は、開会あいさつに組坂繁之部落解放同盟中央本部委員長、各政党からは、立憲民主党から堀越啓仁衆議院議員、国民民主党から大島九州男参議院議員、社会民主党から福島みずほ参議院議員が、「隠蔽、改ざんが常態化する今の政治状況において、真実があきらかになるまっとうな政治を取り戻し、石川さんの無実をあきらかにする」と決意を述べました。
第3次再審請求では、石川さんの無実を明らかにする、科学的な新証拠が続々と提出されています。今年1月に提出した福江鑑定は、脅迫状と石川さんの筆跡が99.9%別人であることを、コンピュータをつかった解析で明らかにしています。最大の証拠とされた被害者の万年筆については、下山第2鑑定での蛍光X線分析装置での解析で、石川さんの家で発見された万年筆と、被害者が当日まで使っていた万年筆は、全く別ものであることが証明されています。開示された取り調べ録音テープでは、誘導によりウソの自白が強要されたことも明白になっています。
これほどまでに明らかな新証拠に対してさえ、検察側は反証するとしているため、年内の再審開始には至らないものの、来春には実現させることを基調提案とあわせて片岡副委員長が述べました。
連帯アピールでは、袴田事件の巌さんの姉、袴田秀子さんが今年6月11日に再審棄却となったが、がんばっていくしかしょうがない、と決意を述べました。また、特筆すべきは、今回初めて、台湾で無罪を勝ち取った元死刑囚、徐自強さんが台湾イノセンスプロジェクトで来日し、狭山事件との連帯をアピールしてくれたことです。世界で最も長い冤罪事件といわれる狭山事件の解決なくして、日本の人権を語ることはできません。また、こうした冤罪を生み出す、密室での取り調べ、長期拘禁や再審開始に対する検察官の抗告制度に対し、民主的な司法改革がなされなければ、他の国々と民主的価値観を共有するなどと言うことはできません。
石川さんの手にある見えない手錠は、実は私たち一人ひとりにもかかる手錠であると肝に銘じ、狭山再審闘争の最終盤を全力で闘いましょう。
集会後は、日比谷公園から銀座、有楽町を経て常盤橋公園まで、約55分の道のりをシュプレヒコールとともに、デモ行進しました。
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