〜雨も吹き飛ばす勢い!リベレーションフェスタ2025開催〜

 

 

10月5日(日)降りしきる雨のなか、京都市役所広場で34回目のリベレーションフェスタ2025が開催されました。

 

実行委員会を代表して、仲村良昭実行委員長は「今年は生憎の雨ですが、雨を吹き飛ばし楽しく過ごしたいと思っています。日常の足元から人権・環境・平和を考える機会にして、市民の皆さんと交流していきたい。」と挨拶しました。

 

来賓からは、木下松二京都市協議長が、部落解放同盟京都市協議会は、差別のない「共生と協働の社会創造」を目指し、部落解放三大闘争を日常闘争に結合させた取り組みを進めていきたい。また、戦争や紛争に反対し、引き続き多様な人々が共に生きることのできる社会をつくっていきたいと挨拶されました。

また京都府連からは平井としき委員長、京都市を代表して並川哲男文化市民局長から、それぞれ挨拶をいただきました。

 

ステージ部門では、久世文化振興会・和太鼓倶楽部「白虎」が伝統芸能を力強く受け継ぎ、迫真の演奏で観客を魅了しました。白虎の太鼓が鳴り響く中、まるでその熱気に呼応するように雨が上がるという奇跡が起こりました。

続いて登場したのは、「浪速の歌う巨人」パギやん(趙博)さん。反戦や平和、そして差別のない社会への願いを込めた魂の歌声が、会場に深い感動を呼びました。

 

さらに、ジャズサックス奏者スウィングMASAさんが、本場ニューヨークの風を感じさせる音色で命の大切さを奏で、サプライズゲストの栄井香代子事務局員がピアノを弾きながら「竹田の子守歌」を熱唱。温かくも力強いステージとなりました。

       

フィナーレでは、FDFダンスチームの子どもたちが笑顔いっぱいに元気なダンスを披露し、会場は大きな拍手と歓声に包まれました。

 

人権啓発コーナーでは、今年度も中村詠吉人権啓発リーダーを中心に、実行委員会独自の啓発パネルを作成・展示しました。

昨年度、フェスタ実行委員会の新たな取り組みとして啓発パネルの制作に取り組み、この問題を多くの市民に発信できたことは大きな成果となりました。

しかし現在もなお、インターネット上では多数の差別動画や差別的書き込みが放置され、新たな投稿も後を絶ちません。市内でも日常的に差別事象が発生している現状を踏まえ、今年度も人権啓発コーナーにおいて、差別のない社会の実現に向けた啓発活動を行いました。

また、本年311日には、狭山事件の当事者である石川一雄さんが86歳で逝去されました。1963年に発生した狭山事件は、部落差別に基づく偏見の中で石川さんが無実の罪を着せられた事件であり、石川さんは生涯にわたり冤罪を訴え続け、全国の部落解放同盟の仲間や多くの支援者と共に再審を求めて闘い続けました。

フェスタ実行委員会では、石川さんの逝去を悼むとともに、第4次再審請求の実現と完全無罪の獲得をめざして闘いを継続する決意を新たにしました。あわせて、無実の罪を着せられた冤罪被害者を早期に救済するための再審法改正の必要性を訴える啓発パネルを作成し、多くの市民に向けて発信しました。

 

京都市環境政策局のブースでは、ごみの分別啓発やリチウムイオン電池などの適正排出についての啓発に加え、ごみ収集車の展示、積み込み体験、乗車体験などが行われ、子どもたちに大人気でした。

また、水道局は蒸し暑さを吹き飛ばすミストで会場を涼しく包みながら、水の大切さを伝えていました。

 

さらに、京都市消防局による消防車両の展示や、子ども用防火服の着用体験が行われ、子どもたちが笑顔で記念撮影を楽しむ姿が見られました。

 

             

 

野菜販売コーナーでは新鮮な野菜が並び、実行委員によるそばめし、フランクフルト、枝豆、かき氷、ジュースなどの模擬店も大盛況。来場者との交流が深まり、会場は終始にぎやかな雰囲気に包まれました。

           

       

 

また、今年は特に綴りのチケットとは別に、市協女性部のコーナーを設置してもらい、「ちゅっとり」という被差別部落のおやつを販売しました。溶かした小麦粉を薄くひいて、その上に黒砂糖をのっけて包むというシンプルなものですが、素朴な味わいで美味しく、お腹もちょっと満たされます。地域によっては「さとまき」とも呼んでいたそうです。

 

閉会式では、西名貴史フェスタ副実行委員長が次のように挨拶しました。

「今年はあいにくの雨天での開催となり、イレギュラーな場面もありましたが、実行委員の皆さんの柔軟な対応により、スムーズに進行することができました。リベレーションフェスタに関わるすべての関係団体、そして共に歩む多くの仲間のおかげで、無事に終えることができました。来年のフェスタに向けてすでに準備が始まっています。しっかりと取り組んでいきたいと思います。」

この挨拶の言葉とともに、参加者全員が次回への思いを共有し、リベレーションフェスタ2025は盛況のうちに幕を閉じました。