京都市協 第2回まちづくり部会 開催

 

 

 10月15日、解放センターにて京都市協まちづくり部会が開催されました。今回は、住宅室より、橋本一すまいまちづくり課長が市内4地区6団地の建て替えの進捗状況についての説明をし、その後まちづくりのソフト面として、福祉関連施策の説明を保健福祉局と子ども若者はぐくみ局より、それぞれの担当の課長を招き、説明を受けました。京都市協からは各支部代表者11名が参加しました。

 まずは、2021年に策定された団地再生計画の説明ということで、資料としていずれも今年1月に発行された「〇〇市営住宅にお住いの皆様へ」ということで配布された養正、錦林、三条・岡崎、壬生・壬生東それぞれの「団地再生ニュース」が配布されました。スケジュールとして、錦林については下水道の移設工事や入札の不調により遅れが生じているが、他の3地区については来年5月に竣工され、内覧会を経て移転が始まるということです。抽選方法については相談しながら進めていきたいとしました。その後意見交換に多くの時間を費やしました。

古谷事務局長からは、従来からの市協の思いとして、「地域に格差や部落差別を持ち込まないでほしいということを伝えてきた。ところが余剰地の活用について建設業関係の業界委に掲載されたことがあり驚いた。こうしたことがないように」と釘をさしました。また住棟の建設だけではなく、まちの活性化のツールとして今回の事業を考えているという意見に対しては、橋本課長も「市全体の活性化に取り組む」という意向を示しました。一方で、田中支部からは下賀茂警察署の移転という地域にとって大きな変更事項が伝わらず新聞報道で知ったことから、住民との日常的なプランの共有ができていないのではとの指摘もありました。また、最大の懸案としての移転に伴う抽選方法については様々な意見があがり、住宅室としてはこれまで楽只、崇仁の事例としての「ドラフト制」が念頭にありつつ、各地域のローカルルールにも配慮するという姿勢が見られました。また「福祉で人権のまち」という視点から、空き部屋のグループホーム活用についての意見も出され、幅広い意見を集約し、ある程度統一した見解を集約して市協で調整していく必要性も指摘されました。いずれにしても、住宅建て替えの最中に亡くなっていく高齢者の方々もいる中、すみやかにかつ、住民が後から後悔することのないように進めていくよう要望がされました。

 次に、福祉関連の意見交換では、あらかじめ質問事項としてケアラーと重層的支援についてなされていたところ、96日から1014日まで募集していた「京都市ケアラー支援条例(仮称)素案について」のパブリックコメントの内容を保健福祉局保健福祉部の山本洋平保健福祉総務課長が説明。全市会議員からの共同提案とのことで全会一致での可決を目指すとのことです。参加者の意見としても、京都市行政がおこなうことで、個人情報の壁で進められなかった関与がクリアできると評価の声があがりました。ケアを家族だけの問題とせず、社会全体の問題ととらえる視点が条例案に書き込まれていることから、実効性のある支援制度の構築が求められています。

特に「ヤングケアラー」の問題については、子ども若者はぐくみ局子ども若者未来部より、五味孝昭子ども家庭支援課長が説明をし、2021年には実態調査をおこない、割合としては1クラスに12名は存在するという結果が明らかになったと言及がありました。

 最後に「重層的支援体制整備事業」について、健康長寿企画課、地域共生推進課より吉井豊宏担当課長が説明にあたりました。複合的で困難な課題は従来から「8050問題」や、「ごみ屋敷問題」として焦点化されてきましたが、高齢者にかぎらず、引きこもりや孤立など世代を問わず抱えている課題について、「地域づくり支援」が重要であり、積極的に取り組んでもらうよう要望が相次ぎました。