総 会 宣 言 


 

  私たちは、本日ここに、市内11支部が結集して、2018年部落解放同盟京都市協議会定期総会を開催し、人の世に熱と人間に光をもたらすため、さらに奮闘することを誓い合った。
 「部落差別解消推進法」が制定され、まもなく1年半が経とうとしている。「いまなお部落差別が現存し、部落差別を許さない社会をめざす」と明記した法律の意義を、広く周知することが、まずは市民社会に対する大きな啓発となる。戸籍等の不正取得を防止するための、事前登録型本人通知制度の登録件数を増やしていく取り組みと並行して、様々な手段での広報を展開しよう。部落差別解消にむけた条例や、ガイドラインを制定している先進自治体の動きを学び、京都市に対しても、法律の具体化を要求していこう。
 現在、日本の国の権力者の厚顔無恥ぶりは目を覆うものがある。国権の最高機関である国会で発せられる言葉の信頼が失われる状況では、真摯な議論の積み重ねによって法を制定することも、行政をチェックすることも叶わず、民主主義の基盤が根底から壊されようとしている。そうした中、軍事費の増強、社会福祉予算の削減が着々となされ、私たちの生活を圧迫していく。私たちは戦争への道を突き進んだかつての過ちを、決して繰り返してはならない。
 全ての人に基本的人権が保障され、かけがえのない個人として尊重される−憲法にうたわれたこの原則が、堅持されなければならない。同時にこの原則を社会の隅々まで行き渡らせ、現実とするためには、人権侵害を許さないとする法体系が必要だ。差別禁止法と「人権侵害救済法」は、この殺伐とした社会状況において、むしろかつてないほどに、切実に求められている。そうした切実さの結集としての被差別マイノリティの連帯を、部落解放同盟は積極的につくりあげていかなければならない。
 被差別者に何かをしてあげるのではない。水平社会を、誰もが尊敬し合える社会を、対等、平等の関係の中でつくりあげていこう。
 京都市協は、引き続き、「まちづくり」、「人権確立」、「教育・保育」の三部会を中心に、論議し学習した成果を、日常生活圏域で具体化していく。信頼しあえる仲間たちを増やし、個別課題に取り組む人々と相互に交流し、連帯を深め、共生・協働の社会創造をすすめていく決意である。
 この総会を契機に、京都市協に結集する全支部の団結をもって、部落完全解放と真の人間解放の社会を実現する「よき日」まで全力でたたかい続けることを、ここに宣言する。


2018年5月29日

                                                                            2018年部落解放同盟京都市協議会定期総会