組織強化と部落解放をめざす決議

 

 

 第2次安倍内閣から昨年末で5年となり、長期政権化した現政権は、そのおごりと強引な政権運営により、かつてないほどに国民からの信頼を失墜させている。朝鮮半島情勢においても、南北朝鮮の和解に貢献するよりも、緊張状態を継続させるような強硬姿勢をつらぬき、東アジアの平和に寄与する姿勢はみじんもない。
 国の最高責任者である総理大臣のこの姿勢は、エリート官僚たちの忖度を生じさせ、国会答弁さえもが、隠す、ごまかす、嘘に嘘を重ねる事態となり、民主主義の基盤がそこなわれようとしている。いまこそ、人権・環境・平和を旗印とする勢力と、立憲主義を守る勢力が結集し、この危機的な状況を克服していかなければならない。
 部落解放同盟は、労働者との連帯を「部落解放共闘会議」、企業者との連帯を「人権啓発企業連絡会」、宗教者との連帯を「同和問題に取り組む宗教者連絡会」というように、各界各層の人々との組織的な繋がりを構築してきた。このことは、世界の人権運動に類を見ないすばらしい運動であり、長い年月をかけて作り上げてきた信頼をこれからも継続し、「部落差別解消推進法」の具体化に向けて、共に取り組んでいくことが大切だ。
 地域においては、近隣住民との協働の取り組みとして、子どもの居場所づくり事業や、高齢者の見守り等々、地域貢献を進めることによって、差別感情を取り除き、互いに理解し合える関係をつくることで地域共生社会を実現しよう。支部員や住民の悩みを聞き、要望を引き出すことで、地域のニーズを把握し、まちづくり運動を進めていこう。
 来春の統一自治体選挙では、組織内議員である平井としき府議会議員(京都市北区)の3期目の勝利を何としても勝ち取らなければならない。また選挙闘争を通じて、共闘の輪を広げていくことも重要だ。
 今年も、リベレーションフェスタ2018などのイベントや、人権交流京都市研究集会などの研修を、市内11支部が一丸となって取り組むことで、市協の団結や力量を高めていこう。
 「人の世に熱あれ、人間に光りあれ」という水平社の精神を引き継ぎ、来る水平社創立100年に向けて、真に人権が尊重される社会建設のため力をつくそう。一人ひとりの真摯な姿勢こそが、組織強化と部落解放の前進を勝ち取っていくことを確認し、ここに決議する。


2018年5月29日

                                                                             2018年部落解放同盟京都市協議会定期総会