部落解放三大闘争に勝利するための決議



 
 私たち部落解放同盟京都市協議会は、差別のない「共生と協働の社会創造」をめざし、部落解放三大闘争を日常闘争に結合させた取り組みを進めている。
 「部落差別の解消の推進に関する法律」が成立し、1年半近くが経過した。「部落差別は許されないものとの認識の下にこれを解消することが重要」と明記されたこの法律の意義は、被差別当事者に対する施策を目的としたものではなく、広く国民、市民に対してこの社会における部落差別を解消すべきことを訴えていることだ。33年間にわたる事業法としての「特措法」は、地域改善に寄与したものの、社会における一般の人々の意識を変えることはできなかった。今こそ私たちは、この法律の周知徹底を通じて、広く人々に対して、差別撤廃を呼びかけよう。また、「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」と共に、人権3法として連携を強め、さらに、LGBT差別解消、アイヌ差別解消等々、他の個別課題も視野に入れつつ、「差別禁止法」「人権侵害救済法」を勝ち取ろう。この間「セクハラ罪という罪はない」と発言した大臣の認識が問題となったが、「人権侵害という罪」がないことで、泣き寝入りし続けた多くの人々が存在してきたことを女性たちと共に訴えよう。
 狭山の闘いは、事件発生から55年が過ぎ、第3次再審を請求してから11年以上が経過している。この間191点の証拠が開示され、弁護団からは197点の新証拠が提出されている。特に今年1月に提出した福江報告書は、コンピュータを使って石川さんと脅迫状の筆跡を重ねあわせたときのズレ量を計測し、同一人では説明できないほど相異が大きいことを統計的・客観的に明らかにし、99.9%別人が書いたものと結論づけた。石川一雄さんは、今年79歳になった。これ以上えん罪の苦しみを放置するわけにはいかない。1日も早く、石川さんの無罪を勝ち取るため全力で闘おう。
 差別糾弾闘争は、差別が社会悪であることを広く訴える取り組みであり、差別事件の背景と原因、課題などを明らかにすることが重要だ。鳥取ループ・示現社に対する裁判闘争も継続している。差別者を包囲し、裁判闘争を勝ち抜こう。生活圏域内であらわれる様々な差別の実態を集約することも重要だ。仲間の悩みや心配に積極的に耳を傾け、相談にのり、共に克服していく力量をつけていこう。
 部落解放の闘いは、人間解放の闘いである。道のりは厳しいが、今こそ、部落解放運動が必要とされている。一人ひとりの主体的力量を高め、部落解放三大闘争の勝利をめざして闘うことを確認し、ここに決議する。


2018年5月29日
 

2018年部落解放同盟京都市協議会定期総会