組織強化と部落解放をめざす決議

 



 

   安倍政権は、一昨年の特定秘密保護法、安保法制に引き続き、国際テロを引き合いに、市民生活、内心の自由に踏み込み、計画段階で処罰することを可能とする『共謀罪』成立を、国会の場での数の力にものを言わせ、強行に押し切ろうとしている。憲法改正の日程さえも首相の独断で表明することで、現実的な道筋をつけている。いよいよ、平和主義、立憲主義、個人の尊厳をうたった憲法がこわされ、戦争遂行を可能とし、個人が国家に翻弄される時代が予感される。人権・平和・環境を旗印に闘う、我々部落解放同盟が、今こそその真価を発揮し、各界、各層の人々との連帯をより一層強めて、こうした危険な状況を打ち破っていかなければならない。
 一方で、部落解放運動の真髄は、支部活動、地域活動である。まちづくりや地域活動、子ども食堂や、ひとり親への支援活動、夏祭り等のイベントを通じて、様々な立場の人たちと出会い、特に若い世代の人々にとって魅力のある運動をつくっていく必要がある。被差別当事者のみならず、部落解放運動に関わった全ての人々が、運動に参加してよかった、解放運動が人間的成長につながったと思えるような取り組みを、地域から積み上げていこう。
 格差や貧困が、社会を二分し、不満や鬱憤の矛先が、安易に差別排外主義に結びつく傾向において、互いに助け合い、支え合う取り組みによって、少しでも生きやすい社会を作り上げることで、連帯の輪を広げていこう。
 「人の世に熱あれ、人間に光りあれ」という水平社の精神を引き継ぎ、来る水平社100年に向けて、一人ひとりが尊厳と誇りを傷つけられることのない真に人権が尊重される社会建設のため、自信を持って運動を展開していこう。一人ひとりの真摯な姿勢こそが、組織強化と部落解放の前進を勝ち取っていくことを確認し、ここに決議する。


2017年5月30日



2017年部落解放同盟京都市協議会定期総会