総 会 宣 言 (案)


 
 

 私たちは、本日ここに、市内11支部が結集して、2015年部落解放同盟京都市協議会定期総会を開催し、人の世に熱と人間に光をもたらすため、さらに奮闘することを誓い合った。

 日本が戦争に敗れて、70年の年月がたとうとしている。思い起こせば19世紀から20世紀半ばまで、帝国主義政策による列強の植民地争奪戦により、世界は戦争にあけくれ、日本もまた開国をせまられ近代国家へ変貌する過程で、70年以上の期間、戦争に次ぐ戦争の時代を経てきた。しかし、1945年の敗戦をはさみ今日にいたるまで、憲法9条の平和主義をまがりなりにも貫き、他国へ「軍隊」を派兵することなく、戦争を回避してきたこの国が、現在、この70年一度も踏み込むことのなかった領域に突入しようとしている。かつての戦争を美化し、兵士を「英霊」としてまつり、増強された自衛隊=「軍隊」の参戦を許すことは、歴史の逆行としか言いようがない。

 そして、今年は同和対策審議会答申から50年、半世紀が経過した歴史の節目でもある。高度経済成長と併走してなされた、種々なる施策が、どのような効果をもたらしたのか、水平社創立時の先人達の訴えが、どれくらい達成されたのか。我々は今まさに、熟考し、あらゆる差別を許さない「人権尊重」という言葉に結実した今後の運動展開を、多くの仲間と共に作り上げていかなければならない。

 そのためにも「まちづくり」、「人権確立」、「保育・教育」の三部会を中心に、論議し学習した成果を、日常生活圏域で具体化していく必要がある。時代に即し、人々の共感と尊敬を勝ち取ることのできる運動を、私たち自身が先頭になって進めていこう。

 私たちは、さまざまなマイノリティ、人権課題に取り組む人々と相互に交流し、連帯を深め、共生・協働の社会創造をすすめていく決意である。

 この総会を契機に、京都市協に結集する全支部の団結をもって、部落完全解放と真の人間解放の社会を実現する「よき日」まで全力でたたかい続けることを、ここに宣言する。

 

 

2015年5月28日

 

                                      2015年部落解放同盟京都市協議会定期総会