「同和」奨学金返還請求裁判

京都地裁不当判決に継続した闘いを決意!



 

「同和奨学金返還請求裁判」の判決言い渡しが、416日午後110分より京都地方裁判所でおこなわれました。京都市が原告となり、奨学金の返還に応ずることなく返還金が100万円を超えた「借受者」に対し訴えた裁判ですが、京都地域人権運動連合会が支援しているH24(ワ)1166号と、2月に人権交流京都市研究集会分科会で報告をしてくれたH25(ワ)1165号、1475号併合の二本立てで進行し、12月に結審していた前者が当初3月判決を予定していたのが、合併してこの日の判決となったものです。通常の法廷では傍聴人が入りきらないと予想したのか、急遽101号大法廷に変更されたが、傍聴席はほぼ満席で約100人が言い渡しを待ち構えました。

しかし、堀内照美裁判長の主文読み上げは、「被告」への目録にある金員支払いをそれぞれ言い渡すのみの、そっけないものであり「負けたのか」「許せない」という声があがりました。

判決は「同和」奨学金の返還を、「自立促進援助金」の執行において「実質給付」とする制度設計において、奨学金がそもそも貸付であった「形式」が重視されたもので、監査委員会、平成18年大阪高裁判決、総点検委員会報告等に依拠したものです。偏見なしにこの裁判を一から審理した結果とは到底思われません。内容的には一部被告の主張に寄り添い、理解を示すかのような記述を行いながら、矛盾の痛みを負わせる判断で、許すことはできません。

「社会問題の解決にとって、行政と住民の信頼関係こそが重要だが、それが裏切られたとの思いがある。部落問題について解決したのだという風評だけが広まっているが、地元の実感は厳しく、格差の二極化の中でも底辺にある。その底上げと解決は社会全体の希望となるはずで、控訴して、これからも闘う」と、被告当事者Tさんは語りました。

裁判の被告となった当事者だけでなく、奨学金の意義や歴史性を関わった全ての人々が共有しつつ、注目し支援をしていかなければなりません。

なお、被告の詳しい主張及び大阪の奨学金裁判の全貌が

http://www.kyoken.jp/46/houkoku46/1houkoku46.htm にあります。