2015年 市協議長新年挨拶

 

 

 

新年明けましておめでとうございます。

 

昨年は、19年ぶりに京都市内で開催しました部落解放研究第48回全国集会は全国から5500名の参加者が参加して成功裡に終えました。これは日頃より、私たちの進める部落解放運動に連帯して取り組んでおられる各界各層の人々のご支援とご協力、ご理解があったからこそ成功できたのだと思っています。その期待と責任の重大さを受け止め、今年も市内11支部の兄弟姉妹と差別の撤廃と人権擁護を目指し、団結して闘う決意であります。

さて、今年は平和・人権・環境の三点の節目の年であると考えています。一点目は、戦後70年目をむかえました。アジアをはじめ近隣諸国への侵略戦争の反省から生まれた崇高な平和憲法を安倍内閣は改悪しようと目論んでいます。昨年、集団的自衛権の行使容認が閣議決定されました。早々に開会される通常国会は、戦争への道に突き進む法案が次々と審議されようとしています。平和憲法を守るため、あらゆる人々と連帯して数の力で押し切る強権政治を断固阻止しなければなりません。

二点目は、「同和対策審議会答申」が出されて50年目をむかえました。答申は、部落問題の歴史認識、差別の本質、行政の責務と国民的課題の三つを明らかにしています。その中でも環境改善事業などは飛躍的に向上しましたが、教育、就労、啓発などは道半ばと言っても過言ではありません。また、新たな課題として老朽・狭隘化した住宅に高齢者世帯とひとり親家庭の増加や低所得・低学力化が進み、差別と貧困の負の連鎖が進行しています。このような現実を直視し、一歩でも前進させるために、市協が果たす役割と課題、支部が果たすべき役割と取組むべき行動を明確にして、地域と組織に責任ある各級機関役員は、自らの自覚と責任を全うしていただきたい。私たちは、この答申の精神をしっかり見つめ、一般施策を活用して部落問題の解決を図る取組や方策などを具体的に提案できる主体的力量を高めなければなりなせん。

三点目は、阪神淡路大震災から20年目をむかえました。自然災害の恐ろしさは2011年3月11日の東日本大震災で多くの死者・行方不明者を出しました。近年では、台風や集中豪雨、火山噴火などによる災害や福島第二原発事故などは人災として環境破壊が進んでいます。自然と共生し続ける自然エネルギーなどへの政策転換を行わせ、こどもや孫たちに後世に引き継げるよう責任を持たなければなりません。原発の再稼働に反対し、再生可能なエネルギーと一人ひとりの環境にやさしい生活習慣を心がけることも大切であります。

私は、2011年5月に市協議長就任後、一貫して、「福祉で人権のまちづくり運動を!」をスローガンに市協活動の中心に据えてきました。今年は、私自身が決意した2期4年間の節目をむかえます。これまで提起してきた、一般施策を活用した人権のまちづくり、市協解放学校、三部会活動、支部自慢・ムラ自慢運動、統一課題としては事前登録型本人通知制度の導入、用地の未登記問題、奨学金返還反対の運動、地区施設の運営参入などが、各支部の活動によってどこまで到達できたのかを検証していかねばなりません。

これらの運動を進める基本は、いかに地域に根ざした活動をするかにかかっています。私たちは変わることが、地区や地域を変えることになります。

幾多の困難な課題があろうとも、立ち止まっていては解決できない。昨日より今日が、今日より明日が前進するように、知恵と勇気と汗を出す運動を進めていくことを決意して、新年のご挨拶とさせていただきます。