部落解放・人権政策確立要求京都市実行委員会第30回大会 開催

節目の年に「部落差別解消法」が成立!

 

 

 

 

 1216日(金)午後6時より、京都府部落解放センター大ホールで、部落解放・人権政策確立要求京都市実行委員会第30回大会、ならびに独自事業「考えてみませんか あなたの人権私の人権」が開催され、宗教者、企業関係、組合の各構成団体からの参加者、解放同盟市協各支部や市民等80名が参加しました。

部落解放京都地方共闘会議事務局長の谷口富士夫事務局長の司会により開会し、議長団には京都市小学校同和教育研究会の熊本孝彦会長と、京都市立中学校教育研究会人権教育部の澤田清人会長が選出されました。

主催者を代表し、高原眞見会長が、「継続は力なりと申しますが、本日大きな節目となる30回目を共に迎えることができたものも、ひとえに情熱を絶やさず幾多の困難を乗り越えてきた先達のご苦労の賜物と感謝し、この伝統を引き継ぐ私共の責務の重さに身が引き締まります。さて、人権侵害救済法制定の私たちの取り組みは、現政権の方針の下、長く停滞しているものの、個別法については障害者、ヘイトスピーチとあいつで制定しました。部落差別解消法についても去る129日ついに成立。国、地方公共団体の責務と相談体制の充実等を規定しています。その背景には、部落地名総鑑のインターネットでの流出等卑劣な行為がありました。差別身元調査を容易に可能にし、これまでの私共の取り組みの成果を破壊するものです。このような社会状況だからこそ、互いを尊重しあえる日常を各々が実践していくことが求められています。30回という節目の大会を堺に着実に一歩を踏み出せる、実り多い大会になりますよう、さらなるご協力をお願いします」と挨拶しました。

来賓挨拶に移り、まずは京都府実行委員会より平井斉己事務局長が「部落差別は社会悪であり、解消されねばならないとする、部落差別解消推進法が臨時国会で成立し、正式には、本日施行されることになりました。今後、年明けにかけて法務省で要綱示される中で、都道府県や各自治体に方針が示されるということで、今後期待していきたい」と述べました。また、京都市を代表して寺井正文化市民局長が、市長メッセージを携え「今年は、様々な人権課題の解決に向けた法整備等が一気に進んだ年であったが、いずれの課題についても京都市は、京都市人権文化推進計画において解決すべき重要な課題と位置づけ、オール京都で啓発や相談に取り組んでいる。これまでの成果を発展させ、あらゆる差別は絶対に許さないという決意のもと、人権文化の息づく京都をめざしていきます」と代読しました。

政党からは、民進党議員団より鈴木マサホ議員が、公明党市会議員より青野ひとし議員がそれぞれ挨拶し、30回という節目の大会に、部落差別差別解消推進法が成立したということは、意義深く、政党としてもこれからこの法律を育てていけるように後押ししたいと述べました。

来賓の方々が退席し議事の進行に移りました。

菱田直義事務局長が第29期の活動報告を行い、京都商工会議所の才寺篤司総務部長が会計報告、京都人企連より山本真穂会計監査が会計監査報告を行い、参加者の拍手で確認されました。続いて、菱田事務局長の基調提案、また才寺会計の第30期予算案が承認され、役員人事の選出を、古谷宏市協事務局次長が提案。会長に、浄土真宗本願寺派京都教区教務所の原眞見所長が再任しました。会長挨拶で「引き続き解消職にご推挽いただいたこと、大変名誉であると同時に責務の重大性に身の引き締まる思いでいっぱいです。私共の願いの一端が盛り込まれた部落差別解消法ですが、課題も見えてきたようです。この法律の成立を人々はどう受け止めるのか、あるいは、どのように報道され、有識者等にどう評価されるのか、しかし期待は裏切られ、メディアは部落差別という極めて重要な過ちを解決に導く法制定を歓迎し、法律に基づいて歴史を反省する中で、我々が進むべき隘路を探し求めることもなく、隣国の大統領弾劾、またカジノ法について延々放映していました。この度の意義が人々に伝わり、差別のない社会の早期実現を期して運動を推し進める先にこそ、私共の道が開けると思いを新たにしました。差別による苦しみがなくなるまで、歩みを止めてはならないという誓いとして、就任の挨拶とします」と述べました。

最後に、大会決議案が、同和問題に取り組む京都府宗教者連絡会議の岡崎眞澄議長から読み上げられ、全員の拍手で確認されました。

全ての議事が終了し、議長降壇の後、閉会挨拶を、実行委員会副会長である村井一成解放共闘議長が行い、「当実行委員会のみなさまと今後も連帯しながら、平和で人権が守られるための闘いをしっかいやっていきたい。部落差別解消法、理念法であるがこの法律を満たすためにも我々の運動の真価が問われている」と訴え、大会が終了しました。

 

引き続き、京都市実行委員会が毎年開催している独自事業が開催され、フリーライターの角岡伸彦さんより「これからの部落問題」とのタイトルでご講演をいただきました。