第44回「きたけん」学習会

「戦後70年平和を考える〜戦時下の部落問題」

 

 

 

2015114日(水)夜,京都市北いきいき活動センターで第44回「きたけん」学習会が開催されました。学習会では,大阪人権博物館(リバティおおさか)館長・朝治 武さんより「戦後70年平和を考える〜戦時下の部落問題〜」をテーマに講演がありました。

 

 講演では,なぜ水平社が戦争に協力したのか,戦争に協力すれば国が部落差別をなくしてくれるのではないかという期待がそこにはあった、そしてその風潮が水平社を戦争協力へと進めていったことについて言及がありました。現在では,部落解放同盟を中心に反差別国際運動をつくり,世界の被差別マイノリティと連帯を深め,日本の人権水準を高めてきているというお話があり,アジア史的視点,国際的な視点から部落問題を見ること,そして第二次世界大戦の負の遺産を今日に遺さず,少しでも解決していくという姿勢が今後大切なのではないかと提起されました。

 

戦後70年を迎える2015年は、数年後、日本の歴史を振り返る大きな転換点になるであろうと考えられる今日、集団的自衛権の容認、派遣労働法改正、TPPへの参入、マイナンバー制度の導入などの日本の動向、また近年の東アジアと日本を取り巻く情勢など、我々の置かれている状況が大きく変わってきていることを踏まえて、戦時下の水平社運動を考え日本国内の社会情勢及び日本を取り巻く東アジア情勢が大きく変動している今日をどう生きるか,私たちに問いかける講演でした。