京都市いきいき市民活動センター探訪

 

〜指定管理から1年の現状を聞く〜

 

m:宮崎議長

I:井ノ口センター長

 

 

m:市内各地域にあったコミュニティセンターを「いきいき市民活動センター」へと名称変更し、指定管理者制度に移行して1年がたとうとしています。13カ所の施設運営において、請け負っている団体もお互いの取り組み状況が見えないので、それぞれの現状を市協版の新聞で紹介していきたいと思っています。

 

その第1弾として、今日は「北いきセン」を運営している「NPOくらしネット21」専務理事の井ノ口さんにお話を伺います。まずは、指定管理者へ応募したきっかけについて教えてください。

 

I:指定管理について京都市はどの業者も対象になるということで募集をしたわけですが、これまで使用されてる方や昔から施設を知っている方は、地元を中心で活動を広めて行ってる人ばかりなので、ここに顔見知りの人間がいたら安心だろうと。それと、この地域でこの施設を要求して建ててもらった経過があるので、自分たちがやらなければと思いました。

 

m:応募の前に、NPOを作って一部事業を受託してましたよね。

 

I:指定管理を受ける前から、僕たちは千本支部を中心として、楽只社協の各種団体で構成するNPOをつくっていたということで、徐々に準備ができたことはラッキーだったと思います。

 

m:4月からスタートして、順調に事業は進んでいますか。

 

I:市民活性化事業については、以前から引き継いだ事業はスムーズですが、新たにやろうとする分野については、今年は難しく来年度からということで準備しています。

 

m:この間の研修会の資料で、貸館は増えているのですが、その原因は何だと思いますか。

 

I:一番大きいのは、土日祝日に開館しているということですね。学生が休みの時は朝から晩まで貸してほしいというのもあったり、その場合も、会議室よりもやはり体育館をサークルで使用するというケースが多いです。平日はお年寄りや主婦層が多いです。身体を動かすサークルが人気ですね。ここのいきセンについては、そういった意味で順調に行っていると言えますが、前の福祉センターの利用は芳しくないですね。用途がないことと、出入りしずらいということがあります。開いてるのか閉まってるのかもわかりずらいですし。

 

m:利用者は周辺の人ですか。

 

I:意外と周辺を超えて、もっと遠くから来てもらってますね。堀川や西賀茂からとか。ほとんどが口コミのようですが。

 

m:施設のコンセプトというのはどのように考えてますか。

 

I:くらしネットとしては、やはりこれまで、「千本ふるさと共生自治運営委員会(じうん)」で培ってきた「共生と自治」ですね。中だけではなく、一回り枠を広げて展開するということで、各種団体に入ってもらってるので、社協の紹介や、学校の紹介で利用するというケースも多いです。

 

m:市民活動活性化事業の展開は?

 

I:メインは8月の夏祭りです。小学校を借りて学区の人、各種団体が模擬店をして、300人くらい集まります。洋食にチジミ、チジミはダンス教室に韓国籍の人がいるので、頼んで出店してもらってます。あとは、10月に「長寿の集い」といって、学区の65歳以上の人を対象に体育館で食事会をして、下の保育所や小学校のメッセージをもらったり。北消防の音楽隊が懐メロを流してくれたり。もう一つは、ここを使用してくれている団体を中心に発表会を3月にします。これに関しては今回初めてなんですが、実行委員会をつくって自由にやってもらうということで。応募が20団体くらいあったけど、出演時間の関係で、15団体くらいに絞ってもらいました。催しの名前も自分たちで決めて、好きにやってもらおうと。初めての試みですがたくさんの交流が生まれればいいし、また、毎年同じ形式でするということにこだわらずに、試行錯誤しながら、自由にやっていけたらいいいと思っています。

 

m:たとえば、そういった実行委員会に参加したり利用したりする団体と、地域の歴史的経過などについてはある程度共有していますか。

 

I:そこは、あえて意識的にはしていません。押しつけて来づらくなるよりも、使いやすくなって知ってもらうことのほうがいいかなと思っています。とにかく一度でも来てもらって、知ってもらう方が手っ取り早いかなと。

 

m:利用者の男女比はどうですか?

 

I:女性が圧倒的に多いです。女性の方が元気だしパワフルですね。年代層は30代から60歳以上までバラバラですが。

 

m:行政職員が全て引き上げて、指定管理に移行したことで一番大きな問題は、お年寄りなどの困りごと相談がなくなったことだと思うんですが、やはり、今でも相談に訪れる人はいますか。

 

I:住宅や駐車場に関する問い合わせはあります。来たら電話番号だけを教えるんじゃなくて、電話してあげてと言ってますけど。

 

m:顔見知りの人がいるということで、来るということがあると思うんですが。

 

I:「じうん」の会議のときに住民さんが来たら、言っといてあげるよと言うのですが、また、歩いてたら相談されたりとかも多いですね。地元の人も、指定管理という言葉だけで、少し来にくいということがあるようです。地元の連携ということであれば、福祉センターの活用がもっとあってもいいし、お年寄りが入りやすいように、門をとっぱらったらどうかと僕は考えているんですが。段差をなくして、開放的な雰囲気というのが必要だと思います。いきセンに移行する以前からも、相談は減っていましたから、ここにいるより、僕なんかがぶらぶら歩いている方が、声をかけてきてくれます。

 

m:この間の新聞に児童手当が受給されるべき人に行き渡ってないということが書かれていたけども、やはり地域のお年寄りは、もっと情報から遠くて、さまざまな施策を受け損なっていると言うことがあると思うんですが、そのあたりは見えにくいですか。

 

I:見えにくいですね。世話役的な人のところに個人的に相談したりというくらいですね。

 

m:それこそ、出前トークなんかを利用して、まず地域の役員がいろんな施策について、聞かれたときにちょっとでも知っていて、つないでいけるような学習会が必要かもしれませんね。次に、施設についての課題や問題点などはありますか?

 

I:音楽室があって、ラジカセ等を貸し出すんですが、故障しても言いに来ないということがある。あとは、飲食について、持ち込みはだめなんですが、フリースペースでの飲食ができるようにならないかとか、それと、これはぜひ実現したいのですが貸しロッカーを設置したいですね。ダンス教室などでは、毎回衣装や音源など荷物も多くて大変そうで、「預かって」とよく言われたりするけどもできないし。当初から行政には要請してるのですが、場所がないということで断られてまして。貸し事務所についても無理だとかね。

m:地元の要望があるのであれば、工夫して柔軟に対応するということも必要ですね。

 

I:この4月からこれまで破損していた部分は全部直しました。トイレも何回も詰まったので配管から調べてやってもらったし、空調も直しました。体育館はバスケットに使うこともあって、今もボロボロですし。ここは2階からが僕らの管理で、下は保育所なので、光熱費も按分形式なんです。それまではボイラーも一つで年間で割って計算しています。節電と言っても、なかなか「自分たちの施設」ということでの自覚が生まれにくいということはあります。

 

m:今後センターを進化させるための抱負はありますか。

 

I:もっと、事業を積極的にやっていきたいですね。ここの施設だけにとらわれず、それこそ、全市のいきセンが一同に集まるイベントや交流会をするとか。リベレーションフェスタでブース持つというのでもいいですよ。あと、学習センターのところにサテライト施設が出来て、そこもカフェをやっているので交流ができたらと思っています。今度職員を連れて北芝にフィールドワークに行きますが、交換留学生(職員)というのもどうかなと思っていたり。ここでしか出来ないこともあるし、他の所でしか出来ないこともあるけど、お互い真似できるところもあると思うので。

 

m:まちづくりという観点から言うと、ここの施設だけでなく、いろんなスペースを拠点にして、人を集めるというのも方法ですね。

 

I:空き店舗を貸してくれという話もあるんだけど、それも現行の条例では難しい面があります。とはいえ、あきらめずにいろんな可能性を探っていきたいですね。

 

m:具体的に拠点を持つことによって、いろんな構想が生まれてきますね。今日はありがとうございました。