京都市上鳥羽南部いきいき市民活動センター

 

話し手 n:西村淳一センター長

聞き手 M:宮崎議長

 

M:今日はお忙しいところありがとうございます。西村さんは行政職員時代から山ノ本とは深い関わりがあり、私も古くからの知り合いですが、率直な意見をお願いします。まずは、委託を受けた団体の自己紹介からお願いします。

n:株式会社丸起が、コミュニティセンターの委託を受けたのが2009年で、当初2年は貸館事業でした。建物の一部を利用して指定管理を行うということで運営を任されました。現在の職員は6名です。2011年からはいきいき市民活動センターへ移行することで、事業展開を行うと同時に、どのように利用を増やしていくかということで、日々取り組んでいます。

M:指定管理を受けたきっかけは何ですか?

n:19797月、清井町から山ノ本町行政の総合計画により集団移転をしたんですが、その時に清井町支部がちょうど10周年でした。支部の設立で言うと、京都市内で6番目か7番目にできたんですね。私も当時の同和対策室の出向で、集団移転には一部関わり、手伝っています。それ以前は、中唐戸、山ノ本は吉祥院隣保館の出張所扱いでしたが、集団移転をきっかけに、要望をあげて、隣保館になったんです。2003年にコミセンと名称が変わり2009年に廃止されて、役所は物品を全部引き取っていったので、本当に何もない状態になりました。住民の自立ということで館の運営をしていくことも考えていましたが、今日においては、地域住民以外の人も含めてリーダー的な人間を養成していかなければという思いで、指定管理を受けました。

M:運営面では、どうですか?計画通り順調に進んでいますか?

n:指定管理の2年目で、初めの2年は京都市が出してきたマニュアル通りに進めてきました。ただし、地理的に言うと、京都市の南の端にある地域であり、超高齢化と少数家族の世帯がほとんどで、利用を増やすという目標が提示されましたが、全市のいきいきセンターとは同じようにできない悩みもありますね。

M:京都市に対しては、年間計画を出しますよね。この間ちょっともせてもらったら3B体操とありましたが。

n:これは保育園と児童館がやっていたのを参考にしたんです。お年寄りから中年層、誰でもできるんです。日本3B協会公認の人を呼んできてやっています。その他、事業としては、洛南高校の先生にお願いして、生徒さんたちのミニライブ。2年生と1年生の練習の成果を発表してもらいました。それから「たこ作り」の企画をしています。これは2月にする予定です。

M:地理的に不利な部分がありながら、工夫して取り組んでますよね。体操は周辺からも来ていますか?1回に何人くらい参加します?

n:ここの改良住宅に住んでいる方々には全部周知していますが、山ノ本町内会と、児童館の保護者、保育園の保護者、それと周辺の一部ですね。参加人数は最低でも20人くらい。平均で30人くらいは集まります。

M:けっこう来られますね。年に何回してるんですか。

n:年に4回、3ヶ月に1度です。あと周辺地域からは、卓球の利用が多いです。上手な先生が一人教えるようになって、月曜と水曜にグループで利用しています。最低6人は来ますが、そうすると台が2台なので、たりなくなります。

M:結構定期的な利用者がいるということですね。

n:そうそう。それと小さな会議室は、従前の編み物で使っていた人が、もう年をいってるけど、識字や昔からのいろんな関係で無料で教えてくれています。若い人が4〜5人来ています。ただ、ここの施設は現在も2階が教育委員会権限で使用不可能になっていて、地域との関係を充実したくてもできない現状もあります。従前あった音響やその他の器具も、4年前に全部処分されてしまいましたし。

M:高齢者ふれあいサロンの利用状況はどうですか。

n:サロンは毎日平均的に利用されています。ただ、こちらも設備がなくて。かろうじてあるカラオケも非常に古くて、レコード盤を入れるタイプですからね。歌も古いんです。最近私が、ラジカセのドーナツ盤を持って行きました。カラオケ教室も、教室というよりは有志で毎週水曜日に来てくれてます。ちょっとずつ増やしていくしかないです。ダンスも来ています。一人で来る人もいて、どこからかというと、伏見からで、対象は子どもさんです。

M:それは、キッズダンスですよね。中京では、活性化事業で出演してもらってますよ。

n:様々な団体に利用してもらうのはいいのですが、うちの施設は、広いスペースは一つしかないうえに、利用規程では、貸館が1時間単位となっているので、融通がきかない面もあります。

M:今抱えている課題というとどんなことがありますか。

n:地域自体が、とにかくお年寄りが多く、一人暮らしや少数家族ばかりです。私にすれば、やはり、これまで苦労されてきたお年寄りが一番大事ですがコミュニティが失われて寂しくなっている現状があります。

M:最後にこれからの抱負などを聞かせてもらえますか?

n:貸館管理から周辺地区へ広がりをもたせていくために、今年は市民活性化事業として、エコまちステーションや周辺企業の協力を得て、環境美化活動を考えています。保育園や児童館と連携して事業を行ったり、野外活動もしていきたいですね。何をしていくにしても、つながりが大事だと思っています。学校や連合会などお世話になったところに年賀状を送るなどの細かい配慮もしています。しかし、何と言っても一番大切なのは、人材の育成だと思います。事業を継続していくためのリーダーの育成が、大きな課題であり、最も力を入れていきたいことですね。

M:どこの地域もその悩みは共通の課題だと思います。その目標をきっちりと視野に入れつつ、事業を継続していくというのは、大切なことですね。今日はお時間をいただいて、本当にありがとうございました。